価格帯毎の電子ピアノまとめ 2025年1月版

以下の記事は、2025年時点での各メーカーの電子ピアノ現行機種とその価格帯をまとめたものです。初心者の方から上級者の方まで、予算や目的に合わせて電子ピアノを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。この記事では、主に価格帯ごとに機種をピックアップし、それぞれの特徴やメリット、購入時のポイントなどを詳しく解説しています。電子ピアノは近年、鍵盤のタッチや音質、機能性が飛躍的に向上しており、アコースティックピアノに迫るレベルのクオリティを実現するモデルも登場しています。一方で、価格帯やモデルによってはエントリー層向けのコンパクトタイプから、木製鍵盤を備えたハイエンドモデル、さらにはグランドピアノを模した外観と迫力のサウンドを備えたモデルなど、多種多様な選択肢が存在します。ぜひご自身のスタイルや目的に合った1台を見つけていただくため、本記事でご紹介する幅広いモデルの情報を吟味していただければと思います。


  1. 電子ピアノの価格帯分類の目安

まず、電子ピアノの価格は機能や性能、ブランドの歴史・技術力などにより非常に幅広いレンジにわたっています。そこで、ここでは大まかに以下のような価格帯に分けて解説します。

  1. 5万円台~8万円台
    比較的リーズナブルでエントリークラスの電子ピアノが中心。外部スピーカーに依存することも多いポータブルタイプや、限られた機能を搭載した入門用モデルが多い価格帯です。
  2. 8万円台~12万円台
    エントリークラスの機種でも鍵盤タッチや音源が少し充実したモデルが増えてくる価格帯。簡易的な据え置き型や、ポータブルながら質感にこだわったモデルも含まれます。
  3. 12万円台~18万円台
    中級クラスのモデルが増えるレンジ。鍵盤のタッチやスピーカーの出力、音色の種類、録音機能などが充実し、練習からちょっとした演奏まで不満なくこなせるクラスです。
  4. 18万円台~25万円台
    中~上位機種が登場し始めるレンジ。木製鍵盤や高性能音源を備えた本格的な演奏用途のモデルもあり、各メーカーが力を入れる人気価格帯でもあります。
  5. 25万円台~40万円台
    上級機種のエントリーラインが中心。鍵盤の素材やアクション機構がよりアコースティックピアノに近いものになっているモデルが多く、音質や表現力も非常に高水準です。
  6. 40万円以上
    ハイエンド~フラッグシップ機に位置づけられるクラス。プロのピアニストの練習用や、本格的なステージ演奏にも使えるほどのスペックで、木製鍵盤・ハイブリッド構造・高品質スピーカーなどを備え、価格も高額になります。

以下では、上記の価格帯に合わせて、各社(YAMAHA、KAWAI、ROLAND、CASIO、KORG)の代表的なモデルを紹介していきます。


  1. 5万円台~8万円台

2-1. YAMAHA P-45(約55,000円)

ヤマハのポータブルタイプ「P」シリーズのエントリーモデルとして、長年愛されている定番モデル。必要最低限の機能を備えつつ、ヤマハらしいクリアで明るいピアノサウンドを実現しています。グレードハンマー(GHS)鍵盤を採用し、軽量設計ながらピアノらしいタッチを追求。自宅練習用や初めての1台として検討しやすい価格も魅力です。スピーカーの音量や音質は控えめですが、ヘッドホンでの練習をメインに考えている方には十分な性能でしょう。

2-2. KORG B2(約55,000円)

コルグのエントリー向け電子ピアノ「Bシリーズ」の最もベーシックなモデル。シンプルなデザインと操作性で、初心者が気軽にピアノを始められる仕様です。88鍵盤のフルサイズ鍵盤に加え、ピアノ音色やエレピ音色なども含む8種の音色を搭載。スピーカーシステムはコンパクトながら、メーカー独自の音響技術で迫力のあるサウンドを体験できます。

2-3. KORG B2SP(約65,000円)

B2に専用スタンドと3本ペダルユニットが付属した上位セットモデル。外観がよりアップライトピアノらしくなり、しっかりとしたスタンドとダンパーペダルなどをフル活用できることで、クラシックからポップスまで幅広いジャンルを楽しめます。自宅でもある程度しっかりと据え置いて使いたい方におすすめです。

2-4. Roland FP-10(約65,000円)

ローランドのポータブルタイプ「FPシリーズ」のエントリーモデル。PHA-4スタンダード鍵盤を搭載し、低価格帯ながらも弾き心地にこだわった設計が魅力です。シンプルな見た目とコンパクトな筐体、Bluetooth MIDI機能などで、スマートフォンやタブレットと連携する際にも便利。ローランドらしい豊かで深みのあるピアノ音色が楽しめ、初心者の方にも扱いやすいでしょう。

2-5. Casio PX-S1100(約65,000円)

カシオ「Privia(プリヴィア)」シリーズのスリムデザインモデル。PX-Sシリーズは非常に薄型ながら、88鍵盤のフルサイズ鍵盤とスピーカーを搭載しており、持ち運びのしやすさとデザイン性の高さで人気を博しています。PX-S1100はシンプルな操作パネルを備え、タッチパネル風のボタンが洗練された印象を演出。AiR音源による自然なピアノサウンドや、Bluetoothオーディオ機能も魅力です。


  1. 8万円台~12万円台

3-1. YAMAHA YDP-145(約81,720円)

ヤマハの据え置き型エントリーモデル「ARIUS(アリウス)」シリーズのエントリークラス。木製のキャビネットを思わせる落ち着いた見た目で、インテリアに馴染みやすい点が特徴です。GHS鍵盤と「CFXサンプリング」によるピアノ音源で、シンプルながらヤマハらしいバランスの良い音を出すことができます。ヘッドホンで練習する際にも残響感をリアルに再現する「Stereophonic Optimizer」機能を搭載しており、自宅練習の快適さが向上しています。

3-2. KAWAI ES120(約88,000円)

カワイのポータブルタイプ「ESシリーズ」のスタンダードモデル。レスポンシブ・ハンマー・コンパクト・アクション鍵盤(RHC)を採用し、軽量化とピアノらしさの両立を図っています。スピーカーも強化されており、より迫力あるサウンドを楽しめます。カワイは木製鍵盤で知られていますが、この価格帯でもしっかりとタッチ面にこだわった作りが魅力。Bluetooth MIDIとオーディオ機能を搭載しており、スマホアプリでのレッスンや音楽再生も手軽に行えます。

3-3. CASIO AP-270(約88,000円)

カシオ「CELVIANO(セルヴィアーノ)」シリーズのエントリーモデル。より本格的な演奏を目指すユーザー向けに、据え置き型キャビネットと3本ペダルを標準装備しています。AiR音源とトリプルセンサースケーリングハンマーアクション鍵盤の組み合わせで、タッチや表現力は充分。グランドピアノのような残響感を味わいつつも、ヘッドホン練習時のシミュレーション機能が豊富なのも強みです。

3-4. Roland FP-30X(約85,000円)

ローランドのポータブルタイプにおける中堅モデル。PHA-4スタンダード鍵盤とスーパーナチュラルピアノ音源によって、しっかりした弾きごたえと豊かなサウンドが楽しめます。FP-10よりもスピーカーが強化され、音量や音質に余裕が生まれた点が大きな魅力。Bluetooth機能も備わっているため、レッスンアプリや録音ソフトなどとの連携もスムーズに行えます。


  1. 12万円台~18万円台

4-1. YAMAHA YDP-165(約110,000円)

YDP-145の上位モデルにあたる据え置き型ARIUSシリーズ。鍵盤タッチはGHS鍵盤ながら、より表現力に優れたスピーカーシステムや、細かな音色調整機能が充実しています。グランドピアノの上位機種「CFX」の音色サンプリングに加え、VRM(Virtual Resonance Modeling)に近い共鳴シミュレーションも取り入れられており、初心者~中級者レベルの方にとって満足度の高い1台となるでしょう。

4-2. Roland RP107(約110,000円)

ローランドの据え置き型エントリーモデル「RPシリーズ」のエントリーモデル。クラスを超えた自然な音色再生とスピーカー音質が魅力で、PHA-4スタンダード鍵盤により、しっかりしたタッチ感を得られます。木製キャビネットで落ち着いた外観と存在感がありながらも、比較的コンパクトにまとまっている点もポイント。自宅練習用としてもリビングに置きやすいでしょう。

4-3. KORG C1 Air(約110,000円)

コルグのCシリーズは、スタイリッシュなキャビネットと高機能が売りの据え置きモデル。C1 AirはBluetoothオーディオに対応しており、スマホの音楽再生をピアノ本体のスピーカーから流せるため、普段の音楽鑑賞にも便利に使えます。RH3(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)鍵盤による自然なタッチ、そしてしっかりした低音域の再現など、演奏面・機能面のバランスが良い人気機種です。

4-4. Roland RP701(約148,000円)

RPシリーズの上位モデル。高音質スピーカーとロランド独自のスーパーナチュラルピアノ音源を組み合わせた、よりリッチなサウンドが特徴。鍵盤もPHA-4スタンダードから、上位版のアクションを採用している場合があり、微妙なダイナミクス表現がしやすい仕様となっています。クラシックからポップスまで幅広く演奏を楽しめ、デジタルならではの内蔵曲やメトロノーム機能、Bluetooth連携なども万全です。

4-5. KORG G1 Air(約148,000円)

コルグのGシリーズは、グランドピアノ型のデザインと高品質な音源を備えたモデル。G1 Airは現代的なフォルムと、3種類の代表的なグランドピアノ音色(日本製、ドイツ製、オーストリア製など)を搭載しており、さまざまなピアノキャラクターを弾き比べできる点が魅力です。RH3鍵盤で、低音域から高音域にかけての重さの変化を自然に再現しており、ダイナミックな演奏にも対応。Bluetoothオーディオ機能も備わっているため、スピーカーとしての使い勝手も抜群です。


  1. 18万円台~25万円台

5-1. YAMAHA P-515(約172,000円)

ポータブルタイプ「P」シリーズの最上位モデル。木製鍵盤ではありませんが、ナチュラルウッドエックス(NWX)鍵盤に近いタッチを実現する「グレードハンマー3(GH3)」鍵盤を採用し、より生ピアノに近い弾き心地と連打性能を追求しています。CFXおよびベーゼンドルファー・インペリアルの2種類の世界的なコンサートグランドピアノの音色を搭載し、繊細な表現力が楽しめます。ポータブルモデルとはいえ、内蔵スピーカーのクオリティも高く、ステージやイベントでの演奏にも対応可能です。

5-2. KAWAI ES920(約172,000円)

KAWAIのESシリーズ上位機種で、持ち運び可能な軽量設計と本格的な鍵盤タッチを兼ね備えています。スピーカーはさらに強化されており、音量や音質面で満足度が高いモデル。レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ(RHⅢ)鍵盤は弾力感とタッチの連続性が高く、中~上級者の練習用としても十分なレベル。また、Bluetoothやレコーディング機能なども充実しており、様々なシーンで活躍します。

5-3. Roland FP-90X(約198,000円)

ポータブルタイプのフラッグシップに位置づけられる「FP-90X」は、PHA-50木製×樹脂ハイブリッド鍵盤を採用し、弾き心地の面でローランドの最上位機種に匹敵するクオリティを提供。4スピーカーシステムにより、低音域から高音域までバランスの良い出音で、ステージピアノとしても十分活用できます。スーパーナチュラルピアノ音源がさらに進化し、ピアノらしい倍音やレゾナンス感をリアルに再現。Bluetooth接続や多彩な音色バリエーションも魅力です。

5-4. YAMAHA CLP-735(約198,000円)

ヤマハ「Clavinova(クラビノーバ)」シリーズのエントリーモデルながら、本格的な演奏表現が可能なCLP-700番台。最新の「Grand Expression Modeling」により、鍵盤の深さやペダル操作など、演奏者の繊細なコントロールを音に反映しやすくなっています。鍵盤はGH3X鍵盤で連打性能を高め、弾き心地も向上。CFXとベーゼンドルファーのサンプリング音色を楽しめるうえ、VRM Liteによる共鳴シミュレーションも備えています。

5-5. KAWAI CN201(約198,000円)

カワイのCNシリーズは据え置き型エントリーモデルですが、本格的な木製キャビネットとレスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ鍵盤など、中級者にも十分対応できる機能を搭載。CN201は音源面も最新の「Harmonic Imaging XL」をベースにしており、深みのあるピアノサウンドを再現。レッスン機能や録音機能、Bluetooth接続なども手厚く、家庭用から教室用まで幅広く選ばれています。

5-6. CASIO PX-S7000(約198,000円)

カシオ「Privia」シリーズの最上位ポータブルモデル。洗練されたデザインと高級感のある仕上げが魅力で、リビングのインテリアとしても映える1台です。Smart Scaled Hammer Action Keyboard IIを搭載し、各鍵盤ごとに異なる重さのハンマー感をシミュレーション。スピーカーシステムも強化され、豊かな音量と繊細な表現力が得られます。ステージ演奏にも使える汎用性がありながら、付属スタンドやペダルユニットを取り付けて据え置きとしても優れた存在感を放ちます。

5-7. CASIO AP-470(約110,000円) / AP-710(約198,000円)

CELVIANOシリーズでも、AP-470はエントリー寄り、AP-710は上位モデルとしてラインナップされています。AP-710は「AiR Grand音源」を搭載し、3つの世界的なグランドピアノ音色を選択可能。より深い表現力と迫力あるスピーカーシステムを備えており、家でも本格的なコンサートピアノの響きを体感できます。一方AP-470は価格がお手頃ながら3本ペダルを標準装備するなど、グランドピアノ演奏の基礎をしっかり学びたい方におすすめです。


  1. 25万円台~40万円台

6-1. KAWAI CN301(約253,000円)

CN201の上位モデルにあたるCN301は、スピーカーシステムの強化や内蔵音色の拡充などを中心にアップグレードされています。より豊かなダイナミックレンジと、クリアで繊細なピアノサウンドを両立。タッチやペダリングの挙動も細かく調整できるため、表現力が必要な中級~上級者にも人気。木製キャビネットの質感も高く、部屋の雰囲気を格上げしてくれるでしょう。

6-2. Roland HP702(約198,000円) / HP704(約248,000円)

ローランドのHPシリーズは、据え置き型の中上級者向けモデル。HP702はエントリーモデルに近い価格ながら、PHA-4プレミアム鍵盤と高音質アンプを搭載し、より生ピアノに近いプレイフィールを目指しています。HP704は上位版としてスピーカーやアンプの品質がより高く、PHA-50木製×樹脂ハイブリッド鍵盤を備えている場合もあり、タッチのリアルさとダイナミクス再現度がさらに向上。Bluetooth機能やアプリ連携などデジタルピアノならではの機能も豊富に揃っています。

6-3. KAWAI CA401(約298,000円)

カワイのCAシリーズは「Concert Artist」の略で、木製鍵盤を採用した本格派モデル。CA401は木製鍵盤「Grand Feel Compact」を搭載し、アコースティックピアノに近い重みやリピート性を実現しています。スピーカーも大型化され、低音域の厚みと高音域のクリアさが際立ち、クラシックやジャズなど幅広いジャンルに対応。外観も上質な木目調仕上げで、高級感があります。


  1. 40万円以上

この価格帯になると、各社ともにフラッグシップモデルやハイブリッドピアノが揃い、アコースティックピアノに限りなく近い鍵盤機構や高度な音源技術が投入されています。本格的な演奏表現を求める方や、アップライトピアノやグランドピアノを置けない環境だがそれに迫るクオリティを求める方に人気です。

7-1. YAMAHA CLP-785(約378,000円)

クラビノーバの上位機種。グランドタッチ鍵盤、Grand Expression Modeling、VRM(Virtual Resonance Modeling)など、ヤマハの最新技術を惜しみなく投入。音の立ち上がりやダイナミックレンジに優れ、演奏者の細かなニュアンスがダイレクトに音に現れます。また、スピーカーシステムは多方向から音が響く設計になっており、コンサートグランドピアノの包み込まれるような音場感を再現します。鍵盤の表面素材やペダルの踏み込み感など、細部にわたって本物志向です。

7-2. KAWAI CA701NW(約398,000円)

CAシリーズのハイエンドモデルに位置づけられる一台。木製鍵盤「Grand Feel III」の進化版を搭載するなど、カワイが培ってきたアコースティックピアノ製造のノウハウを惜しみなく投入しています。スピーカーもハイエンド仕様で、微妙なタッチに対する音色の変化やリリース音などをリアルに再現。グランドピアノさながらの演奏感覚とダイナミックレンジを実現しており、こだわり派のピアニストにも満足度が高いモデルです。

7-3. Roland LX-5(約398,000円) / LX-6(約498,000円) / LX-9(約598,000円)

ローランドのLXシリーズは、最先端のピアノ音源とスピーカー技術を駆使して“リビングルームで弾くグランドピアノ”を目指したラインナップ。PHA-50鍵盤による木製×樹脂ハイブリッド構造と、各モデルでグレードが変わるスピーカー配置やアンプ性能で、まるでホールで演奏しているかのような音の広がりを得られます。LX-9はシリーズ最上位機種で、鍵盤のタッチ調整や音の定位、残響成分など細部まで徹底的にこだわり抜かれており、価格も最も高額な設定です。

7-4. CASIO GP-310BK/WE(約298,000円) / GP-510BP(約398,000円)

カシオの「CELVIANO Grand Hybrid」シリーズは、ベヒシュタイン社との共同開発によるハイブリッドピアノ。木製鍵盤をアクション機構ごと備えた“本物のピアノの機械構造”に、デジタル音源とスピーカーを組み合わせることで、実際のアップライトピアノやグランドピアノに近いタッチと表現力を兼ね備えています。GP-310やGP-510はいずれもプレミアム感のある仕上げで、カシオの最高峰モデルらしいアーティキュレーションと自然な減衰感を体験可能。グランドピアノが置けない環境でも限りなく生に近い演奏を求める方には強くおすすめできます。

7-5. KAWAI LX-シリーズ以外の高価格モデル

KAWAIではさらに上位の「NOVUS(ノヴァス)」シリーズなどが展開されていますが、2025年時点で国内でのラインナップ状況が流動的なため、本記事では割愛しています。いずれもデジタルとアコースティックを融合させた先進的なモデルであり、アコースティックピアノと同等あるいはそれ以上の価格帯となっています。実機を試弾し、自宅スペースや予算と相談しながら選ぶと良いでしょう。


  1. 購入時のチェックポイント

ここまで価格帯別に各メーカーの代表モデルを紹介してきましたが、いざ購入する際には以下の点にも注意して機種選びを行うと、より満足度の高い電子ピアノを手に入れられます。

  1. 鍵盤のタッチ感
    電子ピアノを選ぶ上で最も重要なのが鍵盤タッチ。メーカーや価格帯によってアクション機構が異なるため、実際に弾いてみて自分の好みに合うかを確認しましょう。
  2. スピーカー・音源のクオリティ
    実機の音量や音質は、特に自宅で演奏するときに大きな影響を与えます。ヘッドホンでの使用が多い方は、ヘッドホン出力や音源の質にも注目してみてください。
  3. ペダルの仕様
    3本ペダルかどうか、ペダルの踏み込み具合でハーフペダルがきちんと効くかなど、よりアコースティックピアノに近い表現を重視する場合はペダル部分も確認が必要です。
  4. 設置スペースとデザイン
    ポータブルタイプは省スペースで持ち運びやすい反面、スピーカーの音量が限られるなどの制約があります。インテリアとしても考えるなら、キャビネット型も検討すると良いでしょう。
  5. 拡張機能(Bluetooth、録音、アプリ連携など)
    スマートフォンやタブレットを使ったレッスンアプリを活用したい場合、Bluetooth MIDIやオーディオ機能が備わっているモデルが便利。録音機能や内蔵曲数なども比較してみてください。
  6. ブランドのアフターサービスや保証
    電子ピアノは精密機器であり、大事に使うほど長く愛用できます。保証期間やアフターサービス体制もチェックし、安心して使えるメーカーを選ぶと良いでしょう。

  1. まとめ

2025年現在の電子ピアノは、各メーカーが長年培ってきたアコースティックピアノ製造のノウハウや、デジタル音源・鍵盤アクション技術を常にアップデートしており、リーズナブルな価格帯のモデルでも十分なクオリティを持つものが増えてきています。初心者向けの5万円台~8万円台のモデルから、上級者も納得の40万円以上のハイエンド機まで、価格帯ごとに個性的な機種が揃っているのが特徴です。

5万円台~8万円台
P-45(YAMAHA)やB2(KORG)、FP-10(Roland)、PX-S1100(CASIO)など、まずはリーズナブルに始めたい方向け。必要最低限の機能を備え、ヘッドホン練習などにも対応。

8万円台~12万円台
YDP-145(YAMAHA)やES120(KAWAI)、AP-270(CASIO)など、少しグレードアップしたエントリーモデルが増える価格帯。音質や鍵盤タッチなども改善され、より長く使える機種が多い。

12万円台~18万円台
YDP-165(YAMAHA)、RP107(Roland)、C1 Air(KORG)など、据え置きでもしっかりとした作りのモデルやポータブルでもタッチや機能を妥協しないモデルが充実。自宅練習をメインに、ちょっとした演奏にも対応可能。

18万円台~25万円台
P-515(YAMAHA)やES920(KAWAI)、FP-90X(Roland)、CLP-735(YAMAHA)、CN201(KAWAI)など、中上級者向けの本格派モデルが登場し始める価格帯。音源・鍵盤・スピーカーが全体的にハイレベル。

25万円台~40万円台
CN301(KAWAI)やHP704(Roland)、CA401(KAWAI)など、木製鍵盤や大型スピーカー搭載の機種が登場。表現力と音の臨場感が格段に向上し、ステージ用やレッスン用など幅広く活躍。

40万円以上
CLP-785(YAMAHA)、CA701NW(KAWAI)、LX-シリーズ(Roland)、GP-310/510(CASIO)など、ハイエンド~フラッグシップモデルの領域。アコースティックピアノのタッチや響きをデジタルで再現する技術が凝縮され、プロの使用にも耐えうるレベル。

予算と演奏用途によって、どの価格帯のどのモデルが適しているかは大きく変わってきます。初心者の方であれば、まずは5~8万円台から始めるのも良いですし、長く続けるつもりならば10万円以上のモデルを検討するとタッチや音色面での満足度が高いでしょう。上級者や本格的な表現を追求したい方は、木製鍵盤を採用したモデルやハイエンドのフラッグシップモデルを候補に挙げると、アコースティックピアノに近い演奏感覚を得られます。

加えて、デジタルならではの強みとして、ヘッドホン練習ができることや、機種によってはスピーカーの音質や音量を調整できる点、Bluetooth連携によるレッスンアプリやオーディオ再生機能なども注目したいポイントです。電子ピアノはご自身の生活スタイル、置き場所、将来的な用途などによって、必要な機能やスペックが変わります。購入前にできれば店頭で実際に弾いてみて、鍵盤のタッチや音質、ペダルの感触、操作性などを確認してから決めるのがおすすめです。

最後に、電子ピアノは価格だけでなく、アフターサービスや保証内容にも目を向けましょう。長く使う楽器だからこそ、万が一の故障の際に修理対応がしっかりしているメーカーを選ぶと安心です。ヤマハやカワイのような老舗ピアノメーカーは、全国にサービス拠点を持つケースが多く、サポート体制が充実しているというメリットがあります。ローランドやカシオ、コルグといった総合電子楽器メーカーも、国内外で長年培った技術力とサポート網が整備されており、安定したサービスが期待できるでしょう。

以上、2025年の最新電子ピアノ事情を価格帯別にご紹介しました。それぞれの機種に個性があり、同じ価格帯でもタッチや音色の傾向が大きく異なります。ぜひご自身の好みや用途を明確にしたうえで、最適な1台を探してみてください。音楽を奏でる楽しみや、演奏技術の向上をサポートしてくれる良い相棒となるはずです。ご自身の音楽ライフがより豊かになるよう、本記事が電子ピアノ選びのお役に立てれば幸いです。

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