大学生から始めるピアノのすすめ ~音楽で広がる学生生活と新しい自己表現~
はじめに:大学生活をもっと充実させるために
大学生になり、ある程度の自由と時間を手にしたものの、「毎日の講義やサークル活動で何となく忙しいけど、充実感が足りない…」と感じる人は意外と多いのではないでしょうか。アルバイトやサークル、友達付き合いなど、大学生の生活は多彩なイベントで埋まりがちですが、一方で「自分だけの趣味を作りたい」「部屋でできる、成長を実感しやすい活動が欲しい」という思いを抱える人もいるはずです。
そんな大学生のあいだでいま注目されているのが「ピアノ」です。
- 音楽が好きだけど、やったことはない
- 家に昔の電子ピアノが眠っているけど触っていない
- サークルや勉強だけでなく、自分の時間を有意義に使いたい
そうした思いを抱えているなら、ぜひピアノに挑戦してみませんか。大学生からのピアノ学習には、予想以上のメリットと楽しみが待っています。本記事では、大学生がピアノを始める理由や魅力、具体的な練習方法やモチベーション維持のコツなどを詳しく紹介します。
1.具体例
まずは、「大学生でピアノに興味を持ち始めた」3人の方を見てみましょう。それぞれの背景や目標は違っても、「大学生活の中で新しい趣味を得たい」という共通点があります。
美羽さん:19歳・大学1年生・新生活にわくわくしつつ手持ち無沙汰
- 背景
- 地方出身で都内の大学に進学。ひとり暮らしを始めたばかり。
- サークルには入りたいが、どれが自分に合うかわからず、まだ悩んでいる。
- 高校までは部活と勉強中心で、自分の趣味と呼べるものが少ない。
- 悩み・目標
- せっかくの大学生活を“自分だけの楽しみ”でもっと充実させたい。
- スマホやSNSを見る時間が増えているので、何か生産的なことをしたい。
- ピアノにちょっと憧れがあるけど、完全初心者でもできるのか不安。
凜さん:20歳・大学2年生・バイトとサークルでそこそこ忙しい
- 背景
- サークルは軽音部に所属しており、友達も多いが、自分はボーカル担当。楽器経験は少ない。
- 授業やバイトに追われるうちに、いつの間にか「好きな音楽を聴くだけ」の生活になっている。
- もともとピアノの音色が好きだが、弾くチャンスを持てなかった。
- 悩み・目標
- サークルメンバーが楽器を楽しそうに弾いているのを見て、「自分も楽器をやってみたい」と思う。
- 夜遅くまでのバイトの日も多く、まとまった練習時間を作りにくい。
- いずれはステージでも弾いてみたいという密かな目標がある。
莉子さん:22歳・大学4年生・就職活動と卒業研究に追われ気味
- 背景
- 就活がひと段落したところで卒業研究にも本腰を入れなければならず、少しストレスが多い。
- コロナ禍でオンライン授業が中心だった期間があり、趣味らしい趣味が見つからないまま大学生活が終わりそう。
- 実家にピアノがあったが、中学生以来ほとんど触れていない。
- 悩み・目標
- 就職前の最後の学生生活を、もう少し豊かに彩る方法が欲しい。
- ストレスを軽減しつつ、家でもできるアクティビティを探している。
- 大人になってからも続けられる趣味として、ピアノを再開してみたい。
2.大学生からピアノを始めるメリット
2-1.脳の活性化とストレス解消
ピアノは「視覚(楽譜を見る)」「聴覚(音を聞く)」「触覚(鍵盤を押す感覚)」を同時に使うため、頭をフル活用します。大学生は授業やレポート、バイトなどで頭がパンパンになりがちですが、ピアノ演奏というまったく違う刺激を与えることで、脳のリフレッシュ効果が期待できます。
- 集中力や記憶力の維持を助ける
- 演奏中は悩みごとを忘れやすく、ストレス軽減につながる
2-2.いつでも始めやすい自由度
子どものころに習っていなかったとしても、大学生からピアノを始めるのはまったく遅くありません。むしろ、大人である大学生なら、“やりたい曲を好きなペースで”学べる自由度の高さが魅力です。クラシックでもポップスでも、ゲーム音楽でも、自分が本当に弾きたい曲を選びながら進められます。
2-3.自己表現と達成感
大学生はサークルやバイトなど、集団の中で過ごす時間が長いものの、「自分ひとりで打ち込めるものを持ちたい」と思うことも多いでしょう。ピアノの曲を1曲完成させるたびに得られる達成感は、自己肯定感を高めてくれます。また、演奏を通じて音楽的な表現を楽しめるのも、ピアノならではの醍醐味です。
2-4.音楽を通じたコミュニケーション
「友達や家族に演奏を聴いてもらう」「サークルや学園祭でちょっと披露する」など、音楽を通じた新しいコミュニケーションのきっかけが増えるのもメリットです。とくに、サークル活動で別の楽器担当やボーカルと協力してアンサンブルを楽しむ場面も期待できるでしょう。
3.なぜ大学生からでも遅くないのか
3-1.脳の可塑性はまだまだ高い
人間の脳は成年してからも学習や経験によって発達します。大学生は記憶力や吸収力が高いため、新しいことにも意外とスムーズに適応しやすいです。子どもの頃との違いは「論理的に理解しやすい」「自主的に練習計画が立てられる」など、大人ならではの強みがあること。
3-2.人生経験が音楽を彩る
子どもの頃は先生に言われるがままに練習することが多いですが、大学生なら「どんな曲が弾きたいのか」「どう表現したいのか」を自分で選択し、考える余裕があります。過去の音楽体験や好きなアーティスト、映画やゲームの思い出を演奏に反映できるのも大人のピアノの魅力です。
3-3.学習スケジュールを自分でコントロール可能
大学生の時間割は意外と自由度が高く、授業の空きコマや夜の時間帯、週末などを使って練習計画を立てやすいのがメリットです。課題や試験などの繁忙期でも、短時間の練習を続けることで感覚を維持できます。
4.ピアノ学習がもたらす脳と身体へのプラス効果
4-1.総合的な脳トレーニング
ピアノは複数の感覚を同時に使い、脳を広範囲に刺激します。大学の講義やテスト勉強とは違う“楽器演奏”の刺激が、集中力や注意力の向上に寄与するかもしれません。
- 視覚:譜面を見る
- 聴覚:音程やリズムを聞く
- 触覚:鍵盤のタッチを感じる
- 思考:曲の構成や次のフレーズをイメージする
4-2.ストレス軽減とリラクゼーション
大学生は試験やレポート提出、就活などでストレスを感じやすい時期でもあります。ピアノを弾いている最中は音楽に集中するため、自然と悩みから意識が離れ、気分転換になる効果が期待できます。
4-3.姿勢や指先の運動効果
スマホやPCを長時間使う学生は姿勢が悪くなりがちですが、ピアノ演奏は背筋を伸ばし、手や指を細かく動かす動作が多いため、軽い運動にもなります。適度な身体の緊張とリラックスのバランスが気持ちよく、終わった後は血行が良くなる感覚を得られることも。
5.大学生におすすめのピアノ練習方法
5-1.短時間でも“毎日鍵盤に触れる”習慣
「1時間まとまった練習をする」のは難しくても、1日15分程度を確保するだけでも大きく変わります。大切なのは、日々のルーティン化。たとえば
- 朝起きたら5分間鍵盤に触れる
- 帰宅後の10分だけ練習
- 空きコマに大学の音楽室を借りる
といったように自分の生活リズムに合わせて続けることで、少しずつ上達していきます。
5-2.基礎練習+好きな曲をバランスよく
ピアノ上達には「ハノン」や「スケール練習」といった基礎が重要ですが、それだけだと飽きやすいものです。好きな曲を一緒に練習すれば、モチベーションが保ちやすくなります。
- 最初の5分:指慣らしや基礎的な練習
- 残りの10分:自分が弾きたい曲にチャレンジ
このように時間を区切ってメリハリをつけると、飽きにくく続けやすいです。
5-3.オンラインレッスンやアプリを活用
大学生はインターネットやスマホアプリに慣れている世代。活用すれば、教室に通う時間がなくても効率的に学ぶことができます。
- オンラインレッスン:ZoomやSkypeなどでプロの講師に指導を受けられる
- YouTube・有料学習サイト:初心者向けの動画レッスンが多数あり、空き時間に視聴できる
- スマホアプリ:楽譜の管理や指練習ゲームなど、楽しみながら学べるツールが豊富
5-4.電子ピアノやキーボードを上手に利用
大学寮やアパート暮らしで騒音を気にする場合は、ヘッドホン対応の電子ピアノやキーボードがおすすめ。音量の問題を大幅に解消できるため、深夜や早朝など自由な時間に練習しやすくなります。最近の電子ピアノはタッチも改善され、生ピアノに近い演奏感が得られるモデルも多いです。
5-5.譜面のデジタル管理やページめくりアプリ
紙の譜面が荷物になりがちな大学生には、タブレットやスマホで譜面を表示するアプリが便利です。ページめくりをフットペダルで操作できるツールもあり、練習効率がぐんとアップします。
6.モチベーションを保つためのヒント
6-1.小さな目標を設定して達成感を積み重ねる
「1週間でイントロだけ弾けるようにする」「1か月で1曲通して弾けるようにする」など、短期的な目標を複数設定すると進捗を実感しやすくなります。大学の勉強やサークル活動の合間でも、明確なゴールを定めるとやる気が出るはずです。
6-2.録音や録画で“客観的に成長”を確認
スマホで演奏を録音・録画し、あとから聴いてみると自分のミスや良いところが客観的にわかります。数週間前と比べて上達していることを実感できれば、さらに練習が楽しくなるでしょう。
6-3.SNSや友達との“シェア”で刺激を得る
大学の友達やSNS上で「ピアノを始めてみた!」と公言してみると、意外なほど応援や情報交換が生まれます。サークルの仲間にも「実はピアノやってるんだ」と言っておくと、学祭やちょっとしたイベントで演奏のチャンスが巡ってくるかもしれません。
6-4.発表会や弾き合いイベントに参加
オンラインレッスンや地域の音楽コミュニティでは、学生も参加OKの発表会や弾き合い会を開催していることがあります。人前で演奏するのは緊張しますが、大きく成長するきっかけになるもの。学内でもピアノサークルがあれば見学や発表会への参加を検討してみましょう。
7.よくある不安・疑問Q&A
Q1.大学生から始めて、ほんとうに上達できるの?
A.はい。子どもの頃に習っていた人と比べる必要はありません。大人ならではの理解力や論理的思考で、むしろスムーズに上達するケースも多いです。焦らず、マイペースで続ければ確実に弾けるようになります。
Q2.忙しくてまとまった練習時間が取れそうにない…
A.1日15分や、空きコマに音楽室を借りて30分など、小分けで練習を続ければOK。要は、毎日(あるいは週に数回)の習慣を切らさないことが肝心です。短い時間でも鍵盤に触れる機会が多いほど上達は早まります。
Q3.お金や場所の問題が心配。ピアノは高いイメージがあるけど…
A.初心者向けの電子ピアノやキーボードなら、比較的手頃な価格で入手できます。中古品やレンタルを利用する手段もあります。場所は自室でヘッドホン練習ができれば十分。どうしても置けない場合は、大学の音楽室を活用したり、スタジオを借りたりする方法もあります。
Q4.楽譜を読むのが苦手、あるいは完全に初めてだけど大丈夫?
A.ドレミ付きの楽譜や初心者向け解説動画、さらにコード弾きから始める方法など、学習手段は多彩です。大学生なら情報収集力も高いはず。最初は苦戦しても、慣れてくると楽譜は自然と読めるようになります。
8.まとめ:大学生からピアノを始める価値
ここまで紹介したように、大学生がピアノに取り組むメリットは実に多彩です。
- 脳のリフレッシュとストレス解消
- 自由度が高く、好きな曲を自分のペースで学べる
- 新たな自己表現と達成感
- 音楽を通じたコミュニケーションと人脈拡大
- 将来にわたって続けられる生涯の趣味になる可能性
大学生活は4年間と限りがありますが、その期間に習得したスキルや趣味は、社会人になってからの人生を大いに彩ってくれることでしょう。忙しくても少しの時間さえあれば始められるのがピアノの良さ。大学生の“今”だからこそ、新しい世界に飛び込むチャンスです。
9.今日から始めるための一歩
- 楽器を確認・調達
- 実家や部室にピアノやキーボードが眠っていないか探してみる。なければ初心者向けの電子ピアノやキーボードを検討。中古やレンタルも選択肢。
- 好きな曲を選ぶ
- J-POP、洋楽、ゲーム音楽、アニメ曲、クラシックなど、自分がときめく曲なら何でもOK。まずは“弾きたい曲”がやる気の原動力。
- 1日15分からの“ピアノタイム”を決める
- 空きコマ、朝晩、就活や課題の合間など、ちょっとした時間を習慣にしてみる。
- 情報収集とオンライン活用
- YouTubeやアプリで練習方法を学んだり、オンラインレッスンで定期的にフォームチェックを受けたり。
- 周りに“宣言”してみる
- 友達やサークル仲間、SNSで「ピアノ始めた!」と発信しておくと、意外なところから応援やアドバイスがもらえるかも。
おわりに
大学生のうちは何かと忙しく、気づけばSNSや動画サイトを眺めて過ぎてしまう時間も多いかもしれません。しかし、もしピアノに少しでも興味を持っているのなら、ぜひ一度鍵盤に触れてみてください。
弾き始めの頃は、たった1小節でも弾けるようになると嬉しさを感じますし、少しずつ曲が形になるたびに達成感が得られます。何より、音楽を“受け手”として楽しむだけでなく、“自分で奏でる”喜びを味わえるのはかけがえのない体験です。
大学生活の期間は限られていますが、その間に得た趣味やスキルは、卒業してからの人生を豊かにしてくれる宝物になるでしょう。ピアノは、そんな“一生ものの趣味”としてまさにうってつけ。今日から少しずつ、自分のペースで鍵盤の世界を広げてみてはいかがでしょうか。
Synthesiaを使ったピアノ練習について
SynthesiaFanでは下記のようなピアノ未経験者の練習・独学を支援する情報を載せています。
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もしご興味があればぜひこちらの情報もご覧ください。
参考リンク
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