クラシック音楽や古い民謡など、著作権が切れた楽曲を自由に使えるパブリックドメインのMIDIファイル。YouTubeやSNSでのBGM、個人練習や学習教材として、様々なシーンで活用されているのをご存知ですか?本記事では、安心してダウンロードできるサイトの特徴や収録数、無料・有料の違い、ピアノ用MIDIの探し方などを徹底解説します。パブリックドメインMIDIのメリットや注意点を押さえて、音楽ライフをさらに充実させましょう。
1. はじめに:パブリックドメインMIDIとは?
1.1 パブリックドメインの定義
パブリックドメインとは、著作権の保護期間が終了したか、または著作者本人が権利を放棄した作品を指します。音楽分野では、**作曲者の死後◯年(国や地域によって変わりますが、一般的には70年)**が経過した楽曲がパブリックドメインに入るのが通例です。パブリックドメインに属する作品は誰でも自由に利用・改変でき、著作権料の支払い義務もありません。
しかし楽譜や音源の「演奏や編曲の権利」が別途発生するケースもあるため、厳密には注意が必要です。たとえば、モーツァルトの楽曲自体はパブリックドメインですが、特定の演奏家が演奏し録音した音源の著作権は別に存在します。MIDIの場合は、演奏データを作成した人が別途著作権を保持している場合もあるため、パブリックドメインとして公開されているかをしっかりと確認することが大切です。
1.2 MIDIデータの基本と魅力
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)は、楽譜の情報をデジタルデータとして扱うための規格です。音の高さ(ピッチ)や長さ(ディレーション)、強弱(ベロシティ)などが数値情報として格納されており、実際のサウンドは音源モジュールやソフトウェア音源などで再生されます。
MIDIファイル自体は非常に軽量で、数キロバイト(KB)から数百キロバイト(KB)程度と容量が少なく、インターネット上での配布に向いています。また、編集や加工が容易である点も大きな魅力です。鍵盤を弾き直すことなく、データ上で音程やテンポを変更できるため、練習や編曲のベースデータとして人気があります。
1.3 記事の目的
本記事では、パブリックドメインに属する楽曲のMIDIファイルを無料かつ安全に入手できるサイトを紹介し、その特徴や安全性のポイント、ピアノ用MIDIの有無などをまとめます。
加えて、ダウンロードしたMIDIをどのように活用すればよいか、具体的な使い道も解説します。クラシック音楽の名曲を中心に、MIDIを活用した練習方法やアレンジのヒントなど、幅広い情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。
2. パブリックドメインMIDIサイトを選ぶ際のポイント
2.1 安全性の判断基準
インターネット上には多数の無料MIDI配布サイトが存在しますが、そのすべてが安全とは限りません。安全性を判断するためには、以下の点を確認しましょう。
- 運営団体や運営者が明確か
大学や非営利団体(NPO、NGOなど)、あるいは大手音楽関連企業が運営しているサイトは、基本的に信頼度が高いです。個人運営でも長年の実績がある場合など、評判を調べることが大切です。 - 広告や不審なリンクが多すぎないか
クリック詐欺やマルウェア配布を目的とした広告やポップアップが過剰に表示されるサイトは避けた方が無難です。ウイルス対策ソフトなどで保護しながらアクセスしましょう。 - 著作権表示や利用規約が明確か
パブリックドメインであることを明示し、利用者が安心してダウンロードできるように情報を整えているサイトが望ましいです。
2.2 収録数とジャンルの豊富さ
パブリックドメインのMIDIを探す際、多くの人はクラシック音楽をイメージするでしょう。バッハやモーツァルト、ベートーヴェンなどはすでに著作権保護期間が終了しており、数多くのMIDIが公開されています。しかし中には、古いポピュラー音楽や民謡など、クラシック以外のジャンルを収録しているサイトも存在します。
サイトによっては数百曲から数万曲を誇るところもあり、同じ楽曲でも複数のバージョン(編曲違い、演奏データの違い)を探せる場合もあります。たくさんの曲を聴き比べたい、あるいは多彩なジャンルを網羅したい場合は、収録数が多いサイトを選ぶとよいでしょう。
2.3 有料・無料の区分
多くのパブリックドメインMIDIサイトは、基本的に無料で提供しています。一方で、サイト運営のために寄付やサブスクリプション型のサービスを用意しているところもあり、有料会員になると高音質のオーディオファイルがダウンロードできる、追加の楽曲データが手に入るなどの特典がある場合があります。
ただし、パブリックドメインである以上、MIDIファイルのダウンロード自体は無料であるケースがほとんどです。有料の場合は独自のエディションやオリジナルのアレンジを提供している可能性があります。
2.4 ピアノ用MIDIの有無
ピアノ譜に特化したMIDIやピアノ用に最適化されたデータを探している人も多いでしょう。独奏ピアノ向けのアレンジや、オーケストラ作品をピアノ版に編曲したMIDIなど、多様なニーズを満たすサイトがあります。
ピアノ用MIDIは、ソロ演奏の練習だけでなく、伴奏練習やボーカル練習用としても重宝します。ピアノ用MIDIを多く収録しているサイトは、検索機能やフィルターで「Piano」「Keyboard」などのタグを簡単に使える場合が多いです。
3. おすすめサイト一覧と特徴
ここからは、数あるサイトの中でも特に有名で信頼性の高いパブリックドメインMIDI配布サイトを10個ご紹介します。それぞれのサイトについて、概要・特徴・収録数・ピアノ用MIDIの充実度・有料無料の情報・安全性と使い方のポイントをまとめました。
3.1 IMSLP (International Music Score Library Project)
サイトの概要
IMSLPは、楽譜の巨大アーカイブサイトとして知られており、パブリックドメインに属する音楽作品を中心に、世界中の楽譜を集積しています。もともと「楽譜」を中心としたサイトですが、一部の曲にはMIDIデータが添付されている場合があります。
特徴・収録数
- 特徴:主にクラシックの楽譜が豊富。楽譜ダウンロードがメインだがMIDIやMP3も一部あり。
- 収録数:正確な数は把握しにくいが、作曲家単位で探すと多くのMIDIが見つかる。
- ジャンル:基本的にはクラシック。
ピアノ用MIDIの充実度
クラシック作曲家のピアノ作品が多いため、ピアノ用MIDIを探すのに適しています。バッハの鍵盤作品、モーツァルトのピアノソナタ、ショパンのエチュードなど、歴史的名曲が豊富です。
有料・無料情報
IMSLPは基本的に無料で利用可能です。ただし、寄付を募っており、有料メンバーになると広告が非表示になるなどの特典があります。
安全性と使い方のポイント
長年にわたって運営されており、クラシック音楽の研究者や愛好家にとって定番のサイトです。サイトのトラフィックも大きく、信頼性は高いですが、ファイルのアップロードは多くのユーザーに委ねられているため、ダウンロードの際にはウイルススキャンを行うとより安心です。
3.2 Mutopia Project
サイトの概要
Mutopia Projectは、パブリックドメインの楽譜をLilyPondという楽譜浄書ソフトで入力・公開し、誰でも自由に利用できるようにしているプロジェクトです。一部の楽譜に対して、MIDIファイルも自動生成しています。
特徴・収録数
- 特徴:LilyPondを使って浄書された綺麗な楽譜が手に入る。MIDIは自動生成の場合が多い。
- 収録数:数千曲以上のクラシック作品を中心に展開。
- ジャンル:ほぼクラシック(バロック、古典派、ロマン派など広範囲)。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノ作品や鍵盤楽器向けの作品は数多く登録されています。特に、鍵盤楽器が主役のバロックや古典派の作品はMIDIが用意されているケースが多いです。
有料・無料情報
すべて無料でダウンロード可能です。寄付を募っていますが、寄付なしでも全てのファイルにアクセスできます。
安全性と使い方のポイント
LilyPondで自動生成されたMIDIは、演奏表現が機械的になりがちですが、練習用や音取り用には十分役立ちます。サイトのデザインがシンプルで、曲の検索もしやすいです。
3.3 The Classical MIDI Connection
サイトの概要
The Classical MIDI Connectionは、主にクラシック音楽のMIDIファイルを集め・共有することを目的としたオンラインリソース(またはコミュニティ)でした。1990年代から2000年代にかけて、クラシック音楽の演奏データ(MIDI)をインターネット上で入手できる場は限られていたため、同種のサイトやコミュニティと共に、クラシック音楽ファン・学習者・編曲家などが楽曲を手軽に試聴・研究できる環境を提供していました。現在はインターネットアーカイブに保管されています。ご興味がある方はこのあたりのアーカイブから入ると障害なく内容を確認できると思います。
特徴・収録数
- 特徴:クラシック専門でカテゴリ分けがしっかりしている。作曲家別に探しやすい。
- 収録数:数百~数千ファイル程度と、サイト全体としては中規模。
- ジャンル:バロックから近現代クラシックまで幅広く扱う。
ピアノ用MIDIの充実度
ショパンやリストなど、ピアノの大作曲家のファイルは比較的充実しています。一方で近現代のピアノ作品はやや少ない傾向にあります。
有料・無料情報
インターネットアーカイブに保管されています。完全無料で利用できます。サイトデザインがやや古めですが、MIDIファイルのダウンロードに支障はありません。
安全性と使い方のポイント
ダウンロードリンクの周辺に広告が紛れ込んでいる場合もあります。広告とダウンロードリンクを間違えないように注意しましょう。ダウンロードしたファイルのウイルススキャンも念のため行うのが安全です。
3.4 Classical Archives (オススメ)
サイトの概要
Classical Archivesは、クラシック音楽のデータを豊富に扱う商用サイトですが、無料で視聴やダウンロードできるMIDIファイルも多数存在します。オーディオストリーミングや楽曲解説など、追加サービスも充実。
特徴・収録数
- 特徴:大手商用サイトであり、音源や楽曲解説、楽譜など幅広いコンテンツを提供。
- 収録数:膨大なクラシック楽曲をカバーしている。特に有名作曲家のレパートリーが充実。
- ジャンル:クラシック音楽全般(初期ルネサンスから近現代まで)。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノ作品に関しては作曲家別に体系的に整理されており、膨大なコレクションを誇ります。ショパン、リスト、ベートーヴェン、モーツァルト、ドビュッシーなど、主要ピアノ作品のMIDIは大抵見つかるでしょう。
有料・無料情報
有料プランに加入すると高音質音源や追加コンテンツが利用できますが、MIDIファイルのダウンロードに限っては無料のものも多数存在します。
安全性と使い方のポイント
大手が運営しているため安全性は比較的高いですが、無料でダウンロードできる曲数に制限がある場合もあるため、必要に応じてプランを検討するとよいでしょう。
3.5 Kunst der Fuge (オススメ)
サイトの概要
Kunst der Fuge(ドイツ語で「フーガの芸術」の意)は、主にバッハなどバロック音楽のMIDIを中心に取り扱うサイトです。オルガン作品やチェンバロ作品、室内楽など、鍵盤系中心にかなりのコレクションがあります。
特徴・収録数
- 特徴:バッハをはじめとするバロック音楽に強い。MIDIデータのみならず、楽曲解説や楽譜のリンクも豊富。
- 収録数:バッハ関連だけでも数百曲以上あり、ほかのバロック作曲家の作品も多い。
- ジャンル:バロック中心、モダンピアノ作品は少なめ。
ピアノ用MIDIの充実度
バッハ作品をピアノで弾く人にとっては宝庫といえます。チェンバロやオルガン作品もMIDIとしてはピアノ音色で再生可能なので、鍵盤楽器練習にも役立ちます。
有料・無料情報
無料でMIDIがダウンロード可能ですが、サイトを維持するための寄付を呼びかけています。
安全性と使い方のポイント
古いインターフェースですが信頼性は高く、長年の運営実績があります。バッハ好き、バロック好きには外せないサイトです。
3.7 FreeMidi.org
サイトの概要
FreeMidi.orgは、さまざまなジャンルのMIDIを無料でダウンロードできるプラットフォームです。パブリックドメイン以外の楽曲も混在していますが、クラシックのカテゴリにパブリックドメイン曲が多く含まれています。
特徴・収録数
- 特徴:クラシックからポップスまで、幅広いジャンルをカバー。
- 収録数:全ジャンル合わせて数千~数万曲の規模。
- ジャンル:オールジャンルのため、検索機能を使ってクラシックだけ抽出可能。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノのソロ譜だけでなく、バンドスコアにピアノパートがあるものなども混ざっています。クラシックのピアノ曲を探す場合は、作曲家名で検索すると効率的です。
有料・無料情報
サイト名の通り、基本的には無料です。ただし著作権が残存しているポピュラー音楽のMIDIデータは、グレーゾーンの可能性があるため注意が必要です。
安全性と使い方のポイント
ポップアップ広告やリダイレクト広告が表示されることがあるので、ダウンロード先のリンクをクリックするときは注意しましょう。クラシックのパブリックドメインMIDIのみの利用であれば比較的安全といえます。
3.8 BitMidi
サイトの概要
BitMidiは、レトロゲームのBGMや昔のポップスのMIDIなどを集めたサイトとして人気があります。しかしながら、パブリックドメインのクラシックMIDIも一定数収録しています。
特徴・収録数
- 特徴:ゲーム音楽や旧ポップスがメインだが、クラシック音楽も混在。
- 収録数:公称で10万件以上のMIDIを掲載しているとの情報も。
- ジャンル:オールジャンル。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノ専用のデータはあまり多くない印象ですが、クラシックのコーナーに行けば独奏ピアノ曲を見つけることは可能です。
有料・無料情報
広告ベースで運営しており、無料ダウンロード可能です。有料プランは特に設定されていないようです。
安全性と使い方のポイント
レトロゲーム好きには嬉しいサイトですが、著作権が残っている作品が混在している可能性が高いです。必ずパブリックドメインと明示されているものだけをダウンロードするようにしましょう。
3.9 8notes(今風のサイト)
サイトの概要
8notesは、楽譜や音楽学習者向けの教材、チュートリアルを提供する総合音楽サイトです。多くの楽譜にはMIDIが付属しており、メロディーや伴奏を確認するために再生できます。
特徴・収録数
- 特徴:楽譜とMIDIがセットで掲載されており、学習ツールとして優秀。
- 収録数:初心者向けアレンジから上級者向けまで幅広く、多数の曲をカバー。
- ジャンル:クラシックを中心に、ジャズやポピュラーなども含む。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノ用アレンジが多数用意されているため、ピアノ学習者にとっては便利です。難易度別にアレンジされている曲もあるため、自分のレベルに合った楽譜とMIDIを選ぶことが可能です。
有料・無料情報
多くのコンテンツは無料でアクセスできますが、一部の楽譜やMIDIは会員登録や有料プランが必要な場合があります。年会費は年間20ドル(3000円少々)です。
安全性と使い方のポイント
運営がしっかりしており、学習コンテンツとしての評判も高いです。子供や学生の音楽学習にも適しており、広告の危険性なども低めです。
3.10 MIDIWorld
サイトの概要
MIDIWorldは、クラシックからポップスまで、多ジャンルを扱うMIDI配信サイトです。各ジャンルにカテゴリー分けされており、クラシック音楽のカテゴリにパブリックドメインのデータが含まれています。
特徴・収録数
- 特徴:クラシックだけでなく映画音楽やアニメ音楽など多彩なジャンルを扱う。
- 収録数:総数で数千曲以上。
- ジャンル:オールジャンルで、クラシックは一部。
ピアノ用MIDIの充実度
ピアノ専用のアレンジはあまり多くないものの、オーケストラ曲をピアノに編曲したMIDIなどは見つかることもあります。検索ワードでしっかり絞り込むのがコツです。
有料・無料情報
無料でダウンロードできますが、サイト維持のための広告が多めです。
安全性と使い方のポイント
広告の誤クリックには要注意です。基本的にファイルは軽量MIDIなので、大きなサイズのダウンロードを求められた場合は怪しいと疑ったほうが良いでしょう。
4. パブリックドメインMIDIを活用するメリット
4.1 著作権トラブルを避けられる
パブリックドメインの楽曲は著作権保護期間が終了していますので、基本的には使用料を支払う必要がなく、訴訟リスクなども極めて低いです。YouTubeやSNSに演奏・編曲動画をアップロードする際も比較的安心して利用できます。
4.2 気軽にアレンジ・加工が可能
パブリックドメインMIDIであれば、元の作曲家に対する著作権使用料を気にせずにアレンジや加工を行えます。MIDIはデータとして音程やテンポを自由に変更できるため、自分好みのアレンジを加えることも容易です。
4.3 教育現場や個人練習での利用
学校や音楽教室などでは、教材としてパブリックドメインのMIDIを活用することで費用を抑えられます。生徒が自由に練習できるよう、各家庭での使用も許諾範囲内に収まりやすいのがメリットです。
4.4 動画制作やコンテンツ作成にも活用
YouTubeの動画BGMや、個人サイトでのBGMなどに利用する場合も、パブリックドメインであれば収益化を含めて自由度が高いです。商用コンテンツを作る際にも権利処理がシンプルになります。
5. パブリックドメインMIDIをダウンロードする際の注意点
5.1 ファイル形式や音源環境による違い
MIDIファイル自体には音質という概念がありません。**音質を決定するのは使用する音源(サウンドフォントやMIDIデバイス)**です。同じMIDIファイルを再生しても、音源環境によってかなり印象が変わります。
また、一部のサイトではGM(General MIDI)に準拠していない独自のMIDIデータがある場合もあります。その場合は、再生するときに楽器編成がズレるなどの問題が起こることもあるので注意しましょう。
5.2 MIDIプレーヤーの選び方
PCやスマートフォンでMIDIを再生するには、MIDI対応のメディアプレーヤーや専用ソフトが必要です。Windowsの標準メディアプレーヤーや、AppleのQuickTimeなどでもある程度再生できますが、音源を変更したり楽器のアサインを編集したりしたい場合は、MuseScoreやGarageBand、Cakewalkなどの音楽制作ソフトを使うと便利です。
5.3 圧縮ファイルやダウンロード方法に関する安全性
一部のサイトでは、複数のMIDIファイルをまとめてZIPファイルやRARファイルで配布しています。この場合、解凍ソフトが必要となりますが、解凍時にマルウェアが仕込まれている可能性もゼロではありません。
ダウンロードしたファイルは必ず最新のウイルス対策ソフトでスキャンし、問題がないか確認する習慣を身につけましょう。
6. ピアノ用MIDIを探すコツ
6.1 楽曲タイトルや作曲家名で絞り込み
特定の作曲家や作品のピアノMIDIを探す場合は、**作曲家名 + “piano midi”**などの検索ワードを使うと効率的です。たとえば「Mozart Piano MIDI」「Chopin Piano MIDI」などと入力することで、目的のMIDIを見つけやすくなります。
6.2 “Piano”や“Keyboard”のキーワード検索
サイト内検索機能がある場合は、「Piano」や「Keyboard」などのカテゴリを絞り込むとピアノ用MIDIのみをスピーディに探せます。IMSLPやMutopiaなどでは作曲家ごとに作品が分類されているので、そこから「Piano works」を選択すると良いでしょう。
6.3 フィルター機能を活用する
大規模なサイトでは、楽曲のジャンルや時代、楽器編成などで絞り込めるフィルター機能を提供しているケースがあります。バッハの鍵盤作品だけ見たい、ショパンのピアノ独奏作品だけ見たいといった形で使うと目的のMIDIを素早く見つけられます。
6.4 音色のカスタマイズ方法
ダウンロード後にMIDIシーケンサーなどで再生楽器をピアノに指定すると、より自然なピアノ音色で再生できます。元々がチェンバロ用、オルガン用として作られたMIDIでも、楽器指定を「Acoustic Grand Piano」に変えるだけで簡易的なピアノバージョンとして利用できます。
7. パブリックドメインMIDI利用の具体的な活用例
7.1 個人の練習ツールとして
MIDIはテンポを自由に変えられるため、難所をゆっくり練習したい場合に役立ちます。メロディーだけを聴き取りたい、左手だけをミュートして右手のみ確認したい、など多彩な学習ニーズに応えられます。
7.2 コンサートや演奏会の下準備
オーケストラやアンサンブルなどの複数パートをMIDIで再生すれば、全体の音のイメージを事前に掴むことができます。指揮者や演奏メンバー間でイメージを共有する際にも便利です。
7.3 作曲アレンジやオーケストレーションの学習
パブリックドメインの名曲をもとに、オーケストレーションの勉強やアレンジ練習をするのは有効な学習手段です。MIDIをDAW(Digital Audio Workstation)に読み込んで、リアルな音源やエフェクトを加えることで、編曲スキルを磨くことができます。
7.4 YouTubeやSNSでの音楽コンテンツ制作
BGMや演奏動画の制作に利用できます。たとえばクラシック名曲の伴奏MIDIを使い、自分の演奏や歌を重ねて動画投稿を行うなど、多彩なクリエイティブ活動につなげられます。
著作権保護期間が過ぎているので、YouTubeの収益化も比較的スムーズに行えます。
8. さらに安全に利用するためのヒント
8.1 ウイルススキャンやマルウェア対策
MIDIファイル自体はテキストデータに近い性質ですが、ダウンロードのリンク先や圧縮ファイルに怪しいプログラムが混入している可能性がゼロではありません。必ずウイルス対策ソフトを常駐させ、ファイル入手後にスキャンするようにしましょう。
8.2 偽サイト・海賊版サイトの見分け方
有名サイトの名称やURLを少し変えただけのフィッシングサイトが存在する場合もあります。公式SNSアカウントや大手コミュニティの口コミを通じて、正規のサイトかどうかを確認するのが望ましいです。
8.3 SNSやコミュニティでの情報共有
TwitterやFacebookなどでは、音楽好きが集まるコミュニティで「このサイトは安全」「ここにこんな曲があった」などの情報交換が活発です。口コミを参考にすれば、より安全に、効率よくパブリックドメインMIDIを入手できます。
9. まとめ:パブリックドメインMIDIの魅力と注意点
9.1 今後の動向
インターネット環境の整備によって、パブリックドメイン音源や楽譜の共有はますます活発になっています。AI技術を活用した自動編曲や、よりリアルなバーチャルインストゥルメントが登場することで、MIDIデータの重要性は今後も増していくでしょう。
9.2 サイトを最大限に活用するコツ
複数のサイトを併用して、楽曲のバリエーションや音質、アレンジの違いを比較してみるのがおすすめです。ピアノ用に特化したMIDIを多く収録しているサイト、オーケストラ譜を充実させているサイトなど、それぞれ特徴が異なります。用途に合わせて使い分けることで、より満足度の高い音楽活動が可能になります。
9.3 安全・安心に音楽を楽しもう
パブリックドメインMIDIは著作権の煩雑な手続きを気にすることなく、安全にかつ自由に音楽を楽しめる素晴らしいリソースです。ただし、サイトの安全性やダウンロードファイルの検証を怠ると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。しっかりとリサーチをしながら、音楽を最大限に楽しんでください。
10. よくある質問(FAQ)
10.1 MIDIデータの著作権はどうなるの?
パブリックドメインの楽曲を元に作成されたMIDIであっても、MIDI制作者自身が著作権を保有しているケースがあります。サイトによっては「パブリックドメインとして公開」されているので、利用前にライセンス表記を確認することをおすすめします。
10.2 MIDIとMP3の違いは?
MIDIは楽譜の情報(音程や演奏タイミングなど)を記録したもので、音質は再生する音源に依存します。一方、MP3は実際の音波を圧縮した音声ファイルなので、再生機器によらず同じ音質が得られます。
10.3 ダウンロードしたMIDIをアレンジして販売しても良いの?
パブリックドメインの楽曲をベースとしたMIDIや、自分で制作したMIDIを販売すること自体は可能です。しかし、元のMIDIファイルに独自の著作権が設定されている場合もあるため、ライセンスをしっかり確認しましょう。
10.4 フリーソフトと有料ソフトのどちらが良い?
MIDIの編集や再生に使うソフトにはフリーソフトでも優秀なものが多数あります。MuseScore、Cakewalk by BandLabなどが代表的です。有料ソフトは機能面で優れている場合がありますが、まずはフリーソフトで十分に対応できるケースが多いでしょう。
10.5 違法サイトの見分け方は?
- 著作権保護期間内の最新ヒット曲が大量に無断でアップロードされている
- 広告やポップアップが過剰に多い
- 利用規約や運営者情報が明らかでない
これらに該当する場合は注意が必要です。必ず大手コミュニティや公式情報を確認して、安全性を確保しましょう。
まとめ
パブリックドメインMIDIは、著作権を気にせず自由に利用できる点が大きな魅力です。無料で豊富な楽曲データを扱うサイトを上手に活用すれば、練習用としても映像のBGMとしても、さまざまな形で音楽を楽しめます。ただし、ファイルの安全性チェックやサイトの運営元確認など、最低限のリスク管理は欠かせません。今回紹介したサイトの特徴を踏まえつつ、あなたの目的に合ったMIDIを見つけて、豊かな音楽体験にお役立てください。
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