ジブリ・ディズニーのアニメ曲やJ-POPのMIDIを手に入れる方法:〜国内&海外サイト比較と海賊版の注意点〜

目次

はじめに

ジブリ映画やディズニー作品、人気のJ-POPなど、音楽をMIDIデータで扱いたいと思ったとき、真っ先に気になるのは「どこから入手すればいいのか」という点ではないでしょうか。
音源を自分で耳コピしてMIDIを作成するのは大変ですし、既に誰かが作成したデータを購入・ダウンロードできるなら、手間と時間を大幅に省けます。しかし、著作権が絡む楽曲の場合、無料公開されているデータの多くは権利をクリアしていない可能性が高く、利用にあたって法的リスクが伴うこともあります。

本記事では、パブリックドメイン(著作権が切れた楽曲)以外のMIDIデータを有償で入手したい方向けに、以下のポイントを中心に解説します。

  1. MIDIデータの著作権やJASRACとの関係
  2. 日本国内の有償MIDI配信サイトの紹介
  3. 海外の有償MIDI配信サイトの紹介
  4. 海賊版サイトの名称・存在と、利用時のリスクや注意点
  5. 安全かつ合法的にMIDIを楽しむためのポイント

著作権関連は非常に複雑で、知らず知らずのうちに違反行為にあたるケースもあります。手軽だからといって違法サイトを利用すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も高いです。ぜひ本記事を参考に、安全に音楽を楽しんでいただければ幸いです。

1. MIDIデータとは?基本のおさらい

MIDI(Musical Instrument Digital Interface)とは、電子楽器同士を接続するための共通規格として開発されたインターフェイス/プロトコルを指します。曲そのものの「音声データ」ではなく、「どのタイミングで、どの音程を、どれくらいの強さで鳴らすか」といった演奏情報を記録したものです。

1-1. MIDIのメリット

  • ファイルサイズが小さい
    音声データ(例:WAV、MP3)と比較して格段にデータサイズが小さく、ネット上での配布や保存が容易です。
  • 編集が容易
    演奏情報として記録されているため、演奏ソフトやシーケンサーを使用して、楽器の音色変更や音量調節、キーの変更などが簡単に行えます。
  • MIDI対応機器間での互換性
    特定の音源(例:GM、GS、XGなど)に対応している機器であれば、基本的に同様の演奏が再現できます。ただし、音源ごとの音色差や表現力の違いで再生結果が多少変わることもあります。

1-2. MIDIのデメリット

  • 実音源を録音したものではない
    ボーカルや生楽器のニュアンスを忠実に再現するのは難しく、打ち込み感が強くなることもあります。
  • 音源次第で再生品質が変わる
    MIDIデータ自体は演奏情報のみのため、再生する環境の音源の質によって聞こえ方が大きく異なります。

2. 著作権とライセンスの基礎知識

ジブリやディズニー、J-POPのヒット曲など、ほとんどの商用音楽は作曲者・作詞者・編曲者に対する著作権が存在します。MIDIデータの場合も、編曲を行った時点で編曲者に編曲権が生じるため、原曲の著作権と編曲権、両方の観点から利用に注意が必要になります。

2-1. MIDIの著作権とは

  • 作曲者・作詞者の著作権
    原曲に対する権利。一定年数が経つとパブリックドメイン(著作権切れ)になる場合もありますが、現代曲はまず該当しないことがほとんどです。
  • 編曲者の著作権(編曲権)
    原曲を元にMIDIとして編曲・打ち込みを行った場合、その打ち込んだ制作者にも著作権(編曲権)が発生するケースがあります。もっとも、原曲の権利者が存在する場合は、「編曲してよい権利(編曲権)」自体が委託・許諾されていなければ、そもそも許可が必要になることがあります。

2-2. JASRACとMIDI

日本の代表的な著作権管理団体としてJASRAC(日本音楽著作権協会)があります。JASRACが管理する楽曲については、演奏・録音・配信などを行う際には、利用状況に応じた許諾申請が必要です。MIDIデータを不特定多数に配布する行為は「公衆送信権の行使」に当たる場合もあり、サイトやSNSでMIDIデータを自由に配布するには、JASRACの許諾手続きが必要となります。
有償配布サイトであれば、基本的にJASRACに包括的な利用許諾契約を結んでいる場合が多いですが、利用者側も配布されたMIDIの二次配布は禁止
されるなど、規約を守る必要があります。

3. 日本国内の有償MIDIサイト

ここからは、実際にジブリやディズニーのアニメ曲、J-POPなど著作権保護の対象となる楽曲のMIDIデータを取り扱っている、もしくは可能性のある国内有償サイトを紹介します。サイトによって取り扱い曲数やジャンル、価格帯、データ形式などが異なるため、利用目的に合うかどうかをしっかり確認してみてください。

3-1. Yamaha Music Data Shop

Yamaha Music Data Shopは、国内大手の楽器メーカー・ヤマハが運営する音楽関連データの販売サイトです。

  • 特徴
    • 幅広いジャンルの楽曲を取り扱い。
    • 自社規格「XG」に対応したMIDIデータが多い。
    • 鍵盤楽器向けのピアノ譜のMIDIも存在。

ヤマハは電子楽器の老舗であるため、初心者向けの曲から上級者向けまでラインナップが豊富です。ジブリやディズニー系の楽曲がすべて網羅されているわけではありませんが、人気曲を中心にカバーしている可能性が高いので、まずチェックしてみるとよいでしょう。月に5件のMIDIファイルを選べるとても安価なサブスクリプションサービス「MIDI定額サービス」を展開しているので、最初はこちらを契約して計画的に利用すると良いと思います。

3-2. ローランドネットワークサービス

ローランドネットワークサービスは、国内大手の楽器メーカーのRolandが運営するMIDIデータの販売サイトです。
長らく更新が無いまま放置されています。バイエル、ブルグミュラー、チェルニーなど練習曲のMIDIファイルが揃うので初心者の頃、活用させていただきました。Synthesiaで練習するなどの場合はご利用をおススメします。

3-3. ぷりんと楽譜

こちらもYAMAHAが展開するサービスです。
昔は楽譜のみでしたが、最近はMIDIも販売しています。

  • 特徴
    • ピアノ初心者〜中級者向けの編曲が多い。
    • 電子ピアノ・デジタルピアノ用に最適化されているデータ。
    • ジブリやディズニーなどの定番曲が取り揃えられている。
    • 楽譜が販売されていても、対応するMIDIは販売されていなかったりする。

Yamaha Music Data Shopよりもが使いやすいサイトですが、MIDIがとても高い(データショップの定期と比べると4~6倍)のが難点です。

4. 海外の有償MIDIサイト

日本国内だけでなく、海外にもMIDIデータの販売・配信を行っている大手サイトが存在します。英語圏を中心に世界中の楽曲を幅広く扱っている場合が多いですが、日本の曲やアニメ曲については取り扱いが限定的なこともあります。

4-1. Hit Trax

Hit Traxは、世界的に有名な商用MIDI販売サイトのひとつです。ポップスやロック、ジャズ、R&Bなど、洋楽を中心に大量のMIDIデータがラインナップされています。

  • 特徴
    • 英語圏の名曲が多い。最新ヒットから往年のクラシック・ロックまで対応。
    • 高品質でアレンジもしっかりしており、ライブやステージ用の伴奏としても活用可能。
    • 一部、日本のアニメ・J-POPがある場合もあるが、数はそこまで多くない。

決済はクレジットカードが基本。購入後にダウンロードで入手する仕組みです。英語サイトですが、日本からのアクセスでも問題なく利用できます。問題は価格が高いことですね。MIDIファイル1つで10ドルします。3つ買うと40%OFFです。

4-2. その他

CybermidiSong Galaxyもなくなってしまいました。

5. 海賊版サイトの実態と危険性

有償MIDIサイトで手に入れられるなら、「無料で配布しているサイトもあるのでは?」と考える人もいるかもしれません。確かに無料で配布されているMIDIデータはネット上に散見されますが、その多くは著作権者の許諾を得ていない「海賊版サイト」である可能性が非常に高いです。
ここではサイト名称
とともに、違法にアップロードされたMIDIを扱っているケースがあるとされる例を挙げ、危険性を説明します。

5-1. 代表的な海賊版サイトの名称例

  • 「Anison MIDI」
    かつて存在したとされるアニメソング専門のMIDI配布サイト。現在、同名のサイトがいくつか散見されるが、多くは非公式・無許諾の可能性が高い。
  • 「MIDIShrine」
    主にゲーム音楽やアニメ音楽を取り扱う海外のサイトという情報がある。著作権クリアしていないファイルが含まれるケースが指摘されている。
  • 「MIDI Collection」「Anime Midi」など
    名称に「anime midi」「midi collection」といった単語を含むサイトが複数存在。URLや管理者が不明瞭で、海賊版が大量にアップロードされているケースもある。

5-2. 海賊版サイトを利用するリスク

  1. 法的リスク
    違法アップロードされたMIDIをダウンロード・利用すると、著作権侵害に加担していると見なされる可能性があります。意図せずとも違法ファイルを利用してしまった場合でも、トラブルに巻き込まれるリスクがゼロではありません。
  2. ウイルス・マルウェア感染リスク
    無料配布サイトの中には、ファイルにウイルスやマルウェアを仕込んでいる悪質なものが存在します。MIDIをダウンロードしたつもりが、実行ファイルやスクリプトが混入していることもあり得ます。
  3. データ品質の問題
    有償サイトで配布されているMIDIは、演奏クオリティや音源の設定などがきちんとしたプロの手によるものが多いです。一方、海賊版サイトにアップされているMIDIは、耳コピ精度が低い・データにエラーが多い・曲が途中で切れているなど、完成度に難のあるものが少なくありません。
  4. サポートが受けられない
    正規サイトで購入した場合、万が一データに不備があったり再ダウンロードが必要になったりしてもサポートに頼ることができます。しかし海賊版サイトでは当然ながらサポートはなく、問題が起きても自己責任です。

5-3. 海賊版取り締まりの現状

音楽著作権団体や法執行機関は、不正アップロードに対して取り締まりを強化しています。特に、海賊版サイトの違法性が明らかなケースでは、サイトの閉鎖や管理者の逮捕例もあります。利用者もまた、違法ダウンロードとして何らかの法的責任を問われる可能性があるため、「バレなければ大丈夫」と考えるのは危険です。

6. 安全にMIDIを楽しむためのポイント

有償のMIDIサイトを利用すれば、海賊版サイトよりも圧倒的に安全・安心に高品質なデータを手に入れることができます。しかし、利用にあたっても次のポイントを押さえておきましょう。

  1. 公式サイトや信頼できる大手サイトを利用する
    • YamahaやKawaiなど、名前の知れた楽器メーカーが運営するサイト、あるいは大手カラオケ会社のサイトを優先的に利用しましょう。
    • 海外サイトであっても、Hit Traxなど長年の実績があり、評判の良いサイトを選ぶのがベターです。
  2. 利用規約と著作権情報を確認する
    • ダウンロードしたMIDIデータを「演奏目的」で使うのはOKでも、「商用動画のBGMとしてそのまま使用してYouTubeにアップ」するなどは別途許諾が必要になる場合があります。
    • 個人で楽しむ範囲に限るのか、二次利用に制限があるのかなど、しっかり規約を読んでおきましょう。
  3. パブリックドメイン楽曲との混同に注意
    • 古いクラシック音楽など、著作権が切れた楽曲は基本的に自由にアレンジ・配布が可能です。ただし、編曲されたバージョンや、MIDI制作者の権利が付帯している場合は別です。
    • すべてパブリックドメインだと思い込んで利用した結果、実際は編曲者の権利が存在した…という誤解が生じやすいので気をつけましょう。
  4. 定期的に情報をアップデートする
    • 著作権法の改正や、JASRAC以外の管理団体の動向など、状況が変化する可能性があります。
    • 定期的に音楽著作権関連のニュースをチェックし、最新情報に触れておくと良いでしょう。

7. まとめ

ジブリやディズニー、J-POPのヒット曲など、著作権が絡む音楽を合法的にMIDIとして楽しみたい場合は、正規の有償配信サイトを利用するのが最善策です。ヤマハやRolandなどの国内大手サイトから、海外のHit Traxまでさまざまな選択肢があります。

一方で、海賊版サイトは無料で楽曲にアクセスできるように見えて、著作権侵害のリスクやマルウェア感染などの問題を抱えています。「バレないから大丈夫」という安易な考えで利用すると、後々大きなトラブルに発展しかねません。

最後に

  • 公式かつ信頼できる有償サイトから購入する
  • 海賊版サイトを利用しない
  • ダウンロード後の利用範囲を守る

この3点を守ることが、安全にMIDIを活用し音楽を存分に楽しむためのカギです。MIDIは演奏情報のみであることから、編集面や学習面、演奏の練習用など、多岐にわたる活用が可能です。正しく入手した良質なMIDIデータを活用して、ぜひ音楽の世界をさらに広げてみてください。

【参考情報リスト・保管しておきたい情報】

  1. 国内有償サイト
  2. 海外有償サイト
  3. 海賊版サイト(サイト名称例)
    • Anison MIDI
    • MIDIShrine
    • MIDI Collection / Anime Midi など
  4. 著作権管理団体
    • JASRAC
    • NexTone
    • 海外の著作権管理団体(ASCAP、BMIなど)
  5. 著作権・編曲権に関する基礎
    • 作曲者や作詞者が存在する楽曲は著作権が保護される
    • 編曲権についても権利が発生し得る
    • 利用には管理団体や権利者の許諾が必要になる場合がある

これらの情報をしっかりと頭に入れておけば、MIDIデータを取り扱う際に大きな混乱を避けられるでしょう。

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参考リンク

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