初心者向けピアノ練習曲の紹介:メリーさんのひつじ(アメリカ民謡)

目次

メリーさんのひつじ(Mary Had a Little Lamb/アメリカ民謡)

曲の概要

「メリーさんのひつじ(Mary Had a Little Lamb)」は、19世紀初頭のアメリカで生まれた伝承童謡で、世界中の子どもたちに親しまれている定番曲です。ピアノの入門曲としても非常に有名で、最初に両手演奏を学ぶ人にとって、鍵盤の位置や指の使い方を覚えるための理想的な教材となっています。

短くて繰り返しの多い構造、なじみ深いメロディー、そして音域が狭いという点から、ピアノ初心者が初めて成功体験を味わえる一曲です。

曲の背景と歴史

この曲の元となった詩は、1830年にアメリカのサラ・ジョセファ・ヘイルによって書かれたとされています。詩に登場する「メリー」は実在の少女で、彼女が本当に子羊を学校に連れて行ったという逸話が、この詩の着想となったと言われています。

後にこの詩にメロディーが付けられ、広く子どもたちの教育現場で歌われるようになりました。アメリカのみならず、世界中の幼稚園や小学校でも使われており、音楽教育におけるスタンダードな教材の一つとなっています。

ピアノ初心者にとっての魅力

「メリーさんのひつじ」は、ピアノ初心者にとって最適な教材である理由がいくつもあります。

  • 音域が狭い:主に白鍵の「ミ・レ・ド・レ・ミ・ミ・ミ…」など数音だけで構成されており、手の移動がほとんど必要ありません。
  • 指番号の導入に最適:同じ形のフレーズが繰り返されるため、指番号の感覚を身につけやすい。
  • リズムがシンプル:4分音符と2分音符を中心に構成されており、リズムが非常に取りやすい。
  • 耳なじみがある:多くの人が幼少期に歌ったことのあるメロディーのため、譜読みが苦手でも耳から覚えやすい。

このように、ピアノ演奏に必要な要素を楽しく、無理なく学べることから、最初の1曲として非常に人気があります。

どんな練習をすれば良いか

最初のステップは、右手だけでメロディーを弾いてみることです。5本の指をド~ソに配置して(Cポジション)、指を動かさずに済む配置で練習します。鍵盤の位置を目で確認しながら、ゆっくりと正確に指を動かすことを心がけましょう。

右手でスムーズにメロディーが弾けるようになったら、左手で1拍に1回ずつC音(ド)を加えるだけのシンプルな伴奏から始めてみましょう。左手の音は変化が少ないため、リズムを合わせる練習に最適です。

リズムが安定してきたら、左手に和音(C=ドミソなど)を加えたり、8分音符のリズムに変化をつけたりと、レベルアップした練習も可能です。メトロノームを使ってテンポを維持しながら、一定のリズムで弾く練習も非常に効果的です。

楽譜の入手方法とMIDIデータ

「メリーさんのひつじ」は、ヤマハミュージックデータショップをはじめ、さまざまなオンラインストアで初心者向けの楽譜として購入可能です。運指番号や歌詞付きの譜面もあるため、歌いながら弾く練習もできます。

MIDIデータも広く提供されており、右手・左手パートの分割再生や、テンポ調整機能など、自宅での反復練習を効率化するためのツールとして最適です。ピアノ初心者にとっては「耳から学ぶ」ことも重要なので、MIDIによる模範演奏を聴きながら譜読みするスタイルは非常におすすめです。

まとめ

「メリーさんのひつじ(アメリカ民謡)」は、ピアノを始めたばかりの人が成功体験を味わいながら音楽の基礎を身につけられる、最良の練習曲の一つです。耳なじみのあるメロディー、わかりやすい構造、演奏しやすいキー設定。すべてが「はじめての1曲」にふさわしい条件を備えています。

ぜひこの曲からピアノの世界への第一歩を踏み出してみてください。きっと、次の1曲へのステップアップも楽しく感じられるはずです。

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