同時発音数とは何か?
電子ピアノや電子キーボードを選ぶ際に目にする「同時発音数」という言葉。これは、楽器が同時に発音できる音の数を指します。例えば、子供向けキーボードでは8音同時発音数のモデルがよく見られます。つまり、同時に8音以上の音を演奏しようとすると、最初に弾いていた音が途切れてしまうのです。
また、電子ピアノはステレオ再生ですので、1つの音を引くと同時発音数を2個消費します。
初心者にとって、同時発音数はそれほど重要に思えないかもしれません。しかし、演奏の幅を拡げたり、より複雑な楽曲に挑戦する際には、同時発音数の性能が演奏体験を大きく左右します。
同時発音数の重要性
同時発音数は、特に以下の場合に重要です
- 大きなコードを演奏する時:複数の音が同時に鳴るコード演奏では同時発音数の上限がネックになることがあります。
- サスティンペダルの使用:ペダルを使用すると、演奏中の音が重なるため、同時発音数が不足しがちです。
- 音色を重ねる際:例えば、ピアノ音とエレクトリックピアノ音を重ねて演奏する場合、1つの音符を鳴らすごとに同時発音数を複数消費します。
これらを考慮すると、演奏スタイルに応じた適切な同時発音数を選ぶことが重要です。
一般的な同時発音数の種類と価格帯
市場でよく見られる同時発音数と、それに対応する電子ピアノの価格帯を以下に示します:
- 64音同時発音数:5万円程度
- 96~128音同時発音数:8万円程度
- 192~256音同時発音数:16万円程度
- それ以上の同時発音数:30万円以上
初めて電子ピアノを購入する場合、最低でも128音同時発音数を目安にすることをおすすめします。長期間使用するつもりであれば、192音以上のモデルを選ぶと安心です。
同時発音数とキーアクションの優先順位
同時発音数は重要な要素ですが、電子ピアノを選ぶ際には「鍵盤機構」にも注目しましょう。「鍵盤機構」とは、鍵盤のタッチや反応の仕組みで、アコースティックピアノに近い感触を再現するものです。演奏の満足度に大きく影響するため、同時発音数以上に重視する人も多いポイントです。
同時発音数が少ない問題の回避方法
電子ピアノは単体で演奏できるように内部に音源を内蔵しています。これ自体は拡張できないため、上記の同時発音数が課題となります。やや煩雑になりますが、パソコンと接続してソフト音源を導入することで、同時発音数の問題は解決できます。価格帯によっては電子ピアノに内蔵の音源よりも無料のソフト音源のほうが良い音の場合がありますし、数千円から数万円程度でさらにより良い音を入手することが出来ます。このため、購入後に改変できない「鍵盤機構」にこだわって電子ピアノを選定することが良いかもしれません。
まとめ
同時発音数は、電子ピアノ選びの重要な基準の1つです。特に初心者や中級者にとって、演奏の幅を広げるためには最低限の同時発音数数を確保することが必要です。一方で、同時発音数にこだわりすぎず、実際の演奏感覚や機能性も考慮して選ぶことが、満足できる楽器選びの鍵となります。
電子ピアノ選びに迷った際は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。