~部活や勉強と両立しながら、新たな音楽の扉を開こう~
はじめに
高校生活は、部活・勉強・友達との時間など多くの要素で彩られます。そんな中で「もっと充実した趣味を見つけたい」「自分だけの特技を育てたい」と思い始める人もいるでしょう。部活で運動を頑張る人もいれば、読書やゲームを楽しむ人もいますが、もしあなたが「音楽に興味がある」「手を動かして何かを作り出す活動をしてみたい」と思っているなら、ピアノという選択肢はどうでしょうか。
子どもの頃に習ったことがない人でも、実は高校生からのピアノスタートはまったく遅くありません。忙しい学校生活の合間にも取り組みやすく、得られるメリットが意外と多いのです。本記事では、「高校生になってピアノを始める理由」や「どんなふうに練習すると続けやすいか」などを、具体的に解説していきます。
1.具体例
ここでは、高校生でピアノに興味を持ち始めた3名を紹介します。実際には人それぞれ事情は違いますが、「高校生活の中で新たな趣味を育てたい」という気持ちは共通しています。
結菜さん:15歳・高校1年生・部活選びに迷っている
背景
- まだ入学したばかりで、部活をどうするか悩んでいる。
- 友達とワイワイやるのも好きだけど、自分だけの時間も大切にしたい性格。
- 小学生の頃にピアノ教室へ少し通った経験があり、再開しようか迷っている。
悩み・目標 - 高校から新しいことに挑戦したいが、運動部はちょっとハードルが高い。
- 音楽は好きだけど、楽譜が読めるか不安。
- 学校行事や文化祭で何か披露できたら楽しそう、と密かに思う。
結菜さん:17歳・高校2年生・勉強と部活で忙しい
背景
- 運動部に所属しており、平日は放課後が部活で埋まる。
- 休日は模試や塾などで進路に向けた勉強をしなきゃと焦りを感じ始めている。
- 親が昔ピアノをやっていたようで、家に電子ピアノが眠っている。
悩み・目標 - 試合やテスト勉強のストレスが多く、リラックス方法を探している。
- 夜に少し時間ができても、スマホや動画を見て終わってしまいがち。
- 部活ばかりでなく“別の顔”を持ちたいが、部活との両立が不安。
彩乃さん:18歳・高校3年生・受験や卒業後を意識し始める
背景
- 大学受験や就職活動など、卒業後の進路を検討する時期。
- 中学生の頃、合唱コンクールなどでピアノ伴奏への憧れがあったものの、実際にはやったことがない。
- 受験が終わったら、空いた時間を活用して本格的に趣味を始めたい。
悩み・目標 - 勉強だけじゃなくて、自分を表現できるものを見つけたい。
- 高校卒業後も続けられる趣味としてピアノはどうかと考えている。
- 受験勉強との両立が難しそうで一歩を踏み出せない。
2.高校生からピアノを始めるメリット
脳の活性化とストレス解消
- ピアノ演奏は視覚・聴覚・触覚を一度に使うため、勉強とは異なる刺激を脳に与えられます。
- 放課後の部活や試験勉強で疲れがたまった頭をリフレッシュできる。
- 弾いている間は音楽に集中するため、悩みやストレスを一時的に忘れられる効果が期待できる。
自由に好きな曲を選んで楽しめる
- 子どもの頃のピアノ教室と違い、高校生なら“自分の弾きたい曲”をメインに練習できる。
- クラシックに限らず、J-POPやアニメ・ゲーム音楽など何でもOK。
- 文化祭や合唱祭で披露できるレパートリーを自主的に練習するのも面白い。
自己表現と達成感
- 部活や勉強とは別の軸で「自分だけの特技」を伸ばせる。
- 1曲を弾ききるたびに得られる達成感は大きく、自己肯定感を高めてくれる。
- 合唱祭などの伴奏に立候補すると、一気に注目を集めるきっかけになることも。
音楽が広げるコミュニケーション
- 友達や家族に演奏を聴かせると喜ばれたり、話題が増えたりする。
- 同じように楽器をやっている仲間とセッションしたり、情報交換する楽しみも。
- 受験後や卒業後も続けやすい趣味なので、将来にわたって人間関係の輪が広がるかもしれない。
3.なぜ高校生からでも遅くないのか
脳の可塑性がまだまだ高い
- 大人になってからでも脳は学習できるが、高校生は吸収力が特に高い世代。
- むしろ論理的に理解しながら練習できるので、子どもの頃とは違ったペースで上達できることもある。
人生経験が曲に味を与える
- 中学・高校といろいろな体験を重ねてきたからこそ、曲に対する想いが深くなりやすい。
- 好きなアーティストやアニメの曲を弾けば、感情を乗せやすく、表現力も育つ。
学習ペースを自分で調整可能
- 部活や塾、テスト期間など忙しいときも、短時間の練習を積み重ねるだけで感覚を維持できる。
- 休日や長期休暇などに集中練習すれば、一気にレベルアップするチャンスもある。
4.ピアノ学習がもたらす脳と身体へのプラス効果
総合的な脳トレーニング
- 視覚(楽譜)・聴覚(音)・触覚(鍵盤)を連動させるので、ワーキングメモリや集中力が鍛えられる。
- 勉強とは異なるアプローチのため、頭の切り替えにもなりやすい。
ストレス軽減とリラクゼーション
- 試合やテスト勉強での緊張を解く手段として、音楽に浸る時間を持つと心が和む。
- ピアノ演奏自体がマインドフルネスに近い効果をもたらし、リフレッシュ効果を得やすい。
姿勢と指先の運動効果
- パソコンやスマホなどで猫背になりがちな人も、ピアノを弾くときは背筋を伸ばす意識が高まる。
- 指先を細かく動かすため、血行促進や軽い運動効果も期待できる。
5.高校生におすすめのピアノ練習方法
短時間でも“鍵盤に触れる”習慣を作る
- 忙しい高校生活の中で、1時間の練習時間を確保するのは難しい場合が多い。
- 1日10~15分でもOK。朝や寝る前、帰宅後など、少しでもいいので鍵盤に触れる時間をルーティン化する。
- 短時間の積み重ねが意外と大きな上達につながる。
基礎練習+好きな曲を並行して練習
- 指慣らし(ハノンなど)やスケール練習も大切だが、それだけだと飽きやすい。
- 好きなJ-POPやアニメソングなど、自分が楽しいと思える曲を同時に進めるとモチベーションが保ちやすい。
- 「基礎5分+好きな曲10分」というように、時間を振り分けるのがおすすめ。
オンラインレッスンや動画学習の活用
- ピアノ教室に通う時間が取れない高校生でも、オンラインレッスンやYouTubeなどを使えば自宅学習がしやすい。
- 基礎を確認するときは、講師のレッスンや信頼できる動画で正しいフォームを把握しよう。
- スマホアプリでのゲーム感覚のトレーニングも、忙しい合間にサクッとできる。
電子ピアノやキーボードで騒音問題を解決
- 実家や寮でピアノを置くスペースや防音が厳しい場合、電子ピアノやキーボードが強い味方。
- ヘッドホンを使えば夜間でも練習可能で、家族にも迷惑をかけにくい。
- キーボードなら比較的低価格で手に入るものも多く、初心者でも始めやすい。
6.モチベーションを保つためのヒント
小さな目標を設定し、達成感を積み重ねる
- 「1週間後までに右手だけでイントロを弾けるようにする」「1か月後に両手でサビを通す」など、短いスパンでゴールを設定。
- 目標をクリアするたびに“できた!”という充実感がわき、さらに練習を続ける原動力になる。
録音・録画で成長を“見える化”
- スマホで自分の演奏を録音・録画し、あとで聴き返すと上達具合や課題がはっきりわかる。
- 数週間前に録音したものと比較して、「ミスが減った」とか「リズムが安定した」と感じると大きな励みになる。
友達やSNSで“シェア”して刺激を受ける
- 同級生に「ピアノ始めた」と話すと、興味を持ってくれたり、共通の趣味仲間が見つかったりすることもある。
- SNSに「練習中の曲」を投稿してみると、意外と応援コメントやアドバイスが届くことも多い。
- 練習記録をシェアすることで自分に適度なプレッシャーをかけるのも効果的。
発表の場や挑戦目標をつくる
- 合唱コンクールや学園祭で伴奏に挑戦してみると、一気にモチベーションが上がる。
- 人前で弾くことは緊張もあるが、ステージを経験すると大きく成長するきっかけになる。
7.よくある不安・疑問Q&A
Q1.高校生からじゃ遅いんじゃないかと心配…
A.まったく遅くありません。高校生はまだまだ吸収力も体力もあり、大人になってからよりも柔軟に学べます。子ども時代に習っていた人と比べる必要はないので、自分のペースを大切にしましょう。
Q2.部活や塾が忙しくて練習時間が確保できない
A.15分や30分程度の短い練習を、学校帰りや寝る前などにこまめに行うだけでも効果は大きいです。休日に少しまとまった時間を取れればなお良しですが、とにかく“鍵盤に触れる頻度”を増やすのが大切です。
Q3.親に「今からピアノは大変じゃない?」と言われそう…
A.最初から何十万円もするピアノを買う必要はありません。低価格のキーボードや、実家に眠っている電子ピアノでも十分始められます。むしろ“続けられるかどうか”は本人のやる気次第なので、親には具体的な練習計画を話して説得すると良いでしょう。
Q4.楽譜が読めないけど、独学で大丈夫?
A.初心者向けのドレミ付き楽譜や、YouTubeでの解説動画、アプリなど学習手段はいくらでもあります。最初は慣れなくても、少しずつ「ここがド、ここがファ」などと確認しながら進めれば自然に覚えられます。
8.まとめ:高校生からピアノを始める価値
- 学校生活のストレスを和らげ、脳をリフレッシュできる
- 好きな曲でモチベーションを上げ、自分らしい表現を楽しめる
- 部活や勉強とは別の軸で、自分だけの特技を育てられる
- 文化祭や合唱コンクールなどで実力を発揮するチャンスも
- 卒業後も継続しやすく、大人になってからの趣味にもつながる
高校生活は思い返せばあっという間ですが、その間に習得した趣味やスキルは今後の人生を大きく彩ってくれます。ピアノは、場所や時間の制約に工夫さえすれば、学業や部活と両立しやすい楽器でもあります。ぜひ“今”のタイミングを逃さず、鍵盤に触れてみてください。
9.今日から始めるための具体的ステップ
- 家にある楽器を探す・調達する
- 使っていない電子ピアノやキーボードがないか家族に聞いてみよう。なければリーズナブルなキーボードを検討してみる。
- まずは好きな曲を1曲決める
- J-POPでもアニメ主題歌でも、自分のワクワクする曲を選ぶのがポイント。弾きたい気持ちがモチベーションの源。
- 練習ルーティンを作る
- 1日10~15分の短い時間を習慣化すると、無理なく続けられる。朝・放課後・夜など、自分が続けやすい時間帯を見つけよう。
- オンラインレッスンや動画を活用
- レッスン動画や初心者向け解説を見れば、譜面を読むコツや手の形などを学びやすい。わからないところがあればSNSで質問してもOK。
- 小さな目標を設定して挑戦
- 1週間後には片手でサビを弾けるように、1か月後には両手で通すなど、スモールステップをクリアして達成感を得よう。場合によっては学校行事で披露する計画を立てるのもアリ。
おわりに
高校生のうちに見つけた趣味は、あなたの人生を豊かにする大きな可能性を秘めています。勉強や部活で忙しいかもしれませんが、ほんの少しの時間をピアノにあてるだけで、ストレス解消や新しい自己表現の方法が得られるはず。最初は右手だけしか弾けなかったのが、少しずつ両手で曲になる瞬間は格別の喜びです。
ぜひ、この機会にピアノの鍵盤に触れてみてください。高校生活をもっと充実させるための、一生ものの趣味があなたを待っているかもしれません。
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