Synthesiaを使ったピアノ練習の進め方

Synthesiaを使ったピアノ練習について解説していきます。

電子ピアノやMIDIキーボードの準備が完了していることを前提した記事となります。
必要な方はこちらの記事をご参考ください。

また、演奏したい曲のMIDIファイルの準備が完了していることを前提した記事となります。
必要な方はこちらの記事をご参考ください。

「MIDI入手と導入記事リンク」

この記事のために必要なSynthesiaの設定方法については、別記事で解説していますのでご参考ください。

「Synthesia設定記事リンク」

目次

練習の前に

まずは簡単な曲がおすすめ

もしピアノ未経験や初心者であれば、まずは取り組みやすい曲を選びましょう。童謡やシンプルなメロディの曲から始めると、演奏の楽しさをすぐに味わえます。

取り組みたい曲が難しい曲である場合、最初からその曲に特化して練習しても良いのですが、目と脳、耳と脳、指や体を動かす筋肉と脳、の神経の連携強化には時間がかかること、ピアノ演奏のための姿勢に必要な筋肉と柔軟性が獲得できておらず体にも負担がかかります。最初は慣らしが必要と考えていただき、簡単な曲から始めるのをオススメします。ピアノが楽しくなって無理に長時間練習した結果、腱鞘炎や手根幹症候群を発症してしまってはよくありません。腱鞘炎も適切に治療しなければ、バネ指まで症状が進行してしまうなど厄介です。

毎日少しずつ続ける

長時間の練習は必要ありません。1日10分でも毎日続けることで、確実に上達します。短い練習時間でも、継続することが何より重要です。

練習の全体像

この記事は「Synthesiaを使ったピアノ練習」に関しますが、他の練習方法と流れ自体は同じです。

  • 曲を聴く
  • 右手で弾く練習をする
  • 左手で弾く練習をする
  • 両手で弾く練習をする

テンポ調整、リズム、特定箇所のリピート練習、などが各練習の中に含まれます。
また、両手のバランス調整、ペダル操作練習なども行い、曲を仕上げていきます。

「Synthesiaを使ったピアノ練習」が他の練習方法と異なる点は、弾くべき鍵盤に色付きブロック(ノーツと言います)が落ちてきたら弾く、うまく弾けたら鍵盤が光って曲が進む、というガイダンス機能です。楽譜が読めなくても体で覚えられる、必要であれば楽譜も連携できる、このあたりがSynthesiaを練習で利用するメリットになります。

1.まずは曲を聴こう

弾けるようになりたい曲のMIDIファイルをSynthesia上で自動演奏させましょう。
曲を選び、表示される画面から「観て聴くだけ」をクリックします。

曲を何度か聞いておくと、頭の中でメロディーを再現できる、鼻歌が歌える、そのような状態になると思います。
そもそも「弾きたい」曲を選んでいるので、すでにこの状態にあるかもしれません。ただこの場合でも、利用するMIDIファイルによっては原曲からアレンジや移調されていることがありますので、念のため最初の1度ぐらいは聞いておきましょう。

曲を聴く場合の推奨設定

設定としては下記がおすすめです。その他項目は使わなくても大丈夫です。

  • 楽譜の表示   ON
  • ノーツの表示  ON
  • 右手楽器の音  ON
  • 左手楽器の音  ON]

2.右手で弾く練習をする

次は右手の演奏練習です。

いくつかステップがあります。

  1. メロディーの練習(間違えたら正しい鍵盤を弾くまで進行を待機してくれる)
  2. リズムを練習(間違えても一定速度で進む、速度調節は可能)
  3. 曲のリサイタル(間違えても一定速度で進む、速度調節できない)

1.メロディーの練習

赤囲みのボタンを2回クリックします。

このモードでは、正しい鍵盤を弾くまで演奏を待ってくれます。下の画面では「C5(5番目のドの音)」の鍵盤に対応する緑色のブロック(ノーツ)が鍵盤に触れています。まだ鍵盤を押していないので、C5の鍵盤のCの文字が丸い緑で囲まれた状態になっています。演奏者がC5を押すまで演奏は待機状態になります。

敢えて「B4(4番目のシの音)を弾いてみました。B4の鍵盤が灰色表示になりました。鍵盤は押されたものの、正しい鍵盤ではないため曲は進行せず、待機状態が続きます。

「C5(5番目のドの音)を弾いてみました。C5の鍵盤が緑色に光りました。正しい演奏だったため、待機状態は解消されて曲が進行します。

右手メロディーの練習のため、右手用の緑のノーツのみが待機対象です。青いノーツは左手用ですがこの練習方法ではSynthesiaによる自動演奏ですので、鍵盤側に待機マークは出ません。

ノーツと楽譜の両者表示

ノーツと楽譜の両者表示ノーツも表示したいし、楽譜も参考にしたい場合は下記のようになります。ノーツと鍵盤に関しては先ほどと同様です。楽譜側では濃い水色部分が弾くべき部分に該当します。薄い水色部分は、楽譜で隠れている部分を含め、画面に表示されているノーツが示す音符です。

楽譜のみの表示

ノーツの表示は不要、楽譜のみで良い場合も下記画像のように対応できます。月額課金のピアノ練習ソフトで見かける画面とほぼ同様のことが出来ることが分かります。ただ、Synthesiaでは楽譜データを持っておらず、MIDIから自動的に作成された楽譜が表示さえているだけですので、難しい楽譜になると読譜困難になります。この点ではMIDIデータと楽譜データを別で盛っている他のアプリのほうが優れています。

ループ練習

特定のフレーズが難しいのでそこだけ重点的に練習したい場合はループ機能をつかいます。初心者のうちは、一曲を通しで練習しがちですが、後半部分の練習がおざなりになりがちですので、フレーズごとに練習も取り入れると曲の仕上がりが良くなると思います。

ループ設定1:楽譜からのループ領域設定

画面右上のループ(オレンジの環状矢印)を押して、楽譜の中の開始したい場所でダブルクリックすると、オレンジのグラデーションが入った細い領域ができます。これをドラッグして必要な所でドロップするとループの終点が確定します。楽譜で範囲設定は便利なのですが、表示されている楽譜の範囲のみでしかループ領域を設定できません。

ループ設定2:Synthesiaの進捗バーとノーツ画面からのループ領域設定

画面上の進捗バー(緑色の部分)のループを開始したい部分をクリック、そのままドラッグして領域を側に拡げてドロップすることでもループ領域を設定できます。ノーツ画面ではループ部分はオレンジの四角で囲まれています。この方法では設定が粗いため、ノーツ画面でドラッグした状態でマウスを上下に動かし、ループの開始部分または終了部分を探し、これを示すオレンジの線の上にマウスオーバーすると、マウスカーソルが両矢印に変わります。この状態でドラッグアンドドロップすることでノーツを確認しながらループの開始・終了を設定することができます。

ループ設定3:Synthesiaのループ設定ツールによる設定

画面下の左側に「ループの開始」、中央に「ループ全体」、右側に「ループの終了」を設定するボタンがあるので、これらを使って設定を行っていきます。これもやや粗いので、楽譜画面かノーツ画面でループの開始、終了のポイントを見ながら微調整していきます。画像は上のものと同じですので省略します。

リズム練習0

一応、メトロノーム機能が付いていますが、ややポンコツです。。
ノーツ画面に補助線があるので、補助線とノーツからリズム感を養うほうが良いのではないか、と思います。

2.リズムを練習

おおよそメロディを弾けるようになったら、リズムを練習するモードを使い始めましょう。

メロディの練習では初心者でも弾けている感覚を持ってしまうのですが、待機機能のない「リズムを練習」に進むと、思いのほか出来ていないことに気付かされます。

では早速、進めていきます。

画面上の中央に100%とかいてあります。これがスピードです。

まず100%でトライして自分の実力を確認してみると良いと思います。タイミング良く押せなければ失敗、これまでと違って止まってくれません。ノーツ画面右側に、成功と失敗の数がリアルタイムで表示されます。

実力を把握したところでスピードを落としていきます。100%の横の「-」を押すと10%ずつ落ちていきます。気持ちよく弾きこなせる速度を探してみてください。もし、50%以下でもうまく弾けない場合は、メロディー練習に戻ることをオススメします。例えば、スピード30%だと時間が3倍かかってしまいますから、時間の効率が悪いです。また、低速度域の練習では速度を1段階上げた際の向上幅が大きいので、対応困難かもしれません。速度を30%から40%に上げる場合と70%から80%に上げる場合を比較してみましょう。40%は30%の133%であるのに対し、80%は70%の114%です。1段階あげる場合のハードルは、前者のほうが高いです。

特定のフレーズで引っかかることが多いと思います。その場合はループを設定して重点的に練習してみましょう。

9割以上の精度で弾けるようになったら速度を一段階上げて、精度が上がるまで練習して、また速度を一段階上げる、100%で完璧に弾けるようになるまで頑張りましょう。

また、余裕があればこちらも試してください。100%で9割5分の精度で弾けるようになったら、110%や120%にも挑戦してみましょう。スピードを100%よりも上げた練習を行い習熟した後、100%の速度の練習に戻すと演奏が遅く感じられるようになるので、余裕が出てきます。100%の速度を上限として完璧に弾きこなせるように練習し続けるよりも、少し早い速度での練習も取り入れたほうが曲の完成度は上げやすい印象を持っています。

最終テスト

リサイタルモードは、リズムの練習で「曲が仕上がったな」と感じたタイミングで最終テストだと思って演奏してみると良いと思います。

3.左手で弾く練習をする

右手の練習と同じ流れで進めます。利き手でない事もありなかなか動きにくい上、左手はメロディラインを演奏することも少なく手を抜いてしまいがちです。左手の演奏は曲のリズムを作るために重要です。電子ピアノでは弾く強度によらず音がでるのですが、生ピアノでは低音側の鍵盤は重くて音を出しにくい等あります。もし、生ピアノでの演奏を目的とする練習であれば、左手をしっかり使えるようにしておきましょう。

4.両手で弾く練習をする

両手の練習も右手、左手の練習と同様に進めていきます。最初はこんがらがるかもしれませんが、徐々にできるようになるのであきらめずに頑張りましょう。これが終われば曲が仕上がるので、リズム練習では速度をかなり落としても大丈夫です。うまく両手で演奏できない場合、「メロディーの練習」で、リズム担当の左手に意識を集中して若干先に打鍵、メロディー担当の右手はやや遅れて打鍵のイメージで練習し、徐々に打鍵タイミングを合わせていくとストレスが少な目かもしれません。

まとめ

この記事ではSynthesiaを活用した楽譜を読めない状態でもピアノ練習についてお伝えしました。独学であっても、手頃な価格の電子ピアノとSynthesiaがあれば、一人でも着実にステップアップしていくことができるでしょう。Synthesia以外にもYoutubeをはじめとしたオンラインリソースの活用も効果的です。ぜひこの機会に、気になっていた曲を弾いてみたり、憧れの演奏スタイルを目指したりと、ピアノのある毎日を楽しんでみてください。自宅で自由に学ぶスタイルだからこそ得られる喜びが、きっとたくさんあります。

Synthesiaを使ったピアノ練習について

SynthesiaFanでは下記のようなピアノ未経験者の練習・独学を支援する情報を載せています。


もしご興味があればぜひこちらの情報もご覧ください。

参考リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次